最後にもうひとつ、漢方薬のお話です。睡眠のトラブルに対して睡眠薬を飲むのと漢方薬を飲むのでは何が違うのでしょうか?
「睡眠薬は、脳の意識レベルそのものを直接低下させたり、睡眠時に増加するホルモンと同じような働きにより、ある意味、無理矢理『眠らせる』ということになります。人によっては、翌日まで薬が持ち越してふらふらすることがあり、ほとんどの薬で依存性が指摘されています。
それに対して、漢方薬は、飲んだからといって突然眠気が襲ってくるようなものではなく、翌日まで薬が残るようなこともありません。依存の心配はなく、不眠の原因となっている身体の乱れを少しずつ改善して行くようなイメージで働いてくれます」
なるほど。一度不眠に悩まれている方は、睡眠薬ではなく体質改善や医師の処方により漢方を試されてはいかがでしょうか。
文/葉山茂一(はやま・しげかず)
漢方デスク株式会社代表取締役。漢方•薬膳の総合ポータルサイト「漢方デスク(http://www.kampodesk.com)」を企画•運営。
取材協力/渡辺賢治(わたなべ・けんじ)
慶應義塾大学環境情報学部教授医学部兼担教授。漢方デスクの漢方医学監修を務める。
取材協力/宗形佳織(むなかた・かおり)
医学博士・薬剤師(漢方薬・生薬認定薬剤師)・鍼きゅう師。漢方デスクの薬膳アドバイザーを務める。
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