日に日に気温もあがり、快適なシーズンとなりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 週末には遠出されたりスポーツされたりと、活動も活発になるタイミングだと思います。こういった時に気をつけたいのが「こむら返り」。なんとなく聞いたことのある言葉だと思いますが、実際の症状をご存知でしょうか?
「こむら返りは、ふくらはぎ(こむら)の筋肉が痛みをともなってけいれんしてしまうことを言います」
そう話をするのは、慶應義塾大学教授の渡辺先生。原因はいったい何なのでしょうか?
「原因として、過激な運動や、過度の発汗、下痢による脱水などにより昼間に起こるものと、加齢に伴って夜中におこるものに大別されます。
横になっている間はつま先が下を向いている、 つまり立っているときと比べてふくらはぎの筋肉が縮んでいるため、ちょっとしたことで痙攣を起こしやすいと考えられています。
また、妊婦さんや、糖尿病、血液透析、肝硬変などの患者さんでもこむら返りを起こしやすいことが知られています。
こむら返りに悩む人は多いのですが、こむら返りを保険病名に持っている薬はなく、まさに漢方の出番ということになります」
意外と身近にひそむ症状なのですね。漢方医学ではどのようにとらえられているのでしょうか?
「漢方医学的に考えた場合、こむら返りを起こしやすい代表的なものは血虚証(けっきょしょう)と呼ばれる状態です。
全身に栄養を運ぶ赤い液体である血(漢方ではケツと読みます)が不足することで、ふくらはぎに十分な栄養が行かず、こむら返りを起こしてしまう、というものです」