ドバイの華やかな「世界一周客のガラパーティー」を終え、『クイーン・エリザベス』は次の寄港地ヨルダンのアカバまでやってきました。 ヨルダンには世界遺産にも登録されている神秘の遺跡ペトラがあります。アカバの港からペトラまでは片道約2時間かかりますが、車窓からは岩と砂だけで構成された大地や、羊飼いの少年が木陰で羊番をする姿など、日本とは異なる風景が続き、遥か彼方の国にたどり着いたことを教えてくれました。

2ペトラ3ペトラのらくだ

 

 

 

 

 

 

 

 

ペトラは2000年以上前にナバテア人が岩を切り拓きつくりあげた大都市で、香辛料の交易地として栄えましたが、14世紀以降、その存在は忘れ去られ、1812年にスイスの旅行家ヨハン・ルードヴィヒ・ブルックハルトに「再発見」されました。遺跡にはシークという切り立つ岩に挟まれた細い通路を1km以上歩いて入りますが、岩と岩の間から突如、巨大なエル・カズネ(宝物殿)が現れる瞬間は、まるで異空間に迷い込んだような迫力があり、「新・世界の七不思議」に選ばれた理由を納得しました。エル・カズネは1世紀初頭に造られた王の墳墓で、正面を飾る美しい彫刻は大きな岩山から削り出したもの。その証拠に今も作業をした足場が残っています。

長かった『クイーン・エリザベス』での生活も残すところ約2週間となりました。英国の乗客が多く、英国の伝統を重んじる『クイーン・エリザベス』の船上生活では、アフタヌーンティーに重きを置いています。毎日午後3時半から始まる優雅なアフタヌーンティーの会場はクイーンズ・ルームという2層吹き抜けの大型ラウンジ。白手袋をはめたウエイターが、うやうやしく紅茶をついで回り、サンドイッチ、ケーキ、そしてスコーンなどのサービスが続きます。グリルクラスの乗客にはザ・グリルズ・ラウンジと言う11階にある専用ラウンジでもアフタヌーンティーが行われ、落ち着いた雰囲気の中でお茶が楽しめます。さらに、12階のグリルクラス専用屋外デッキでも、アフタヌーンティーのサービスがあり、暑い炎天下にもかかわらず、きちんと制服と白手袋をつけ、水着姿で寛ぐ人々の間を、紅茶をつぎ、ケーキやスコーンの載ったワゴンを押して回る姿に「ホワイトスター・サービス」の言葉が浮かびました。

 

4アフタヌーンティークイーンズルーム5グリルデッキのアフタヌーンティー

 

 

 

 

 

 

 

 

実は『クイーン・エリザベス』の会社キュナード・ラインのサービスを象徴する言葉が「ホワイトスター・サービス」であり、意外にも、由来はあの悲劇の客船タイタニック号の会社の名前“ホワイトスターライン”に由来します。かつて、この2つの海運会社は激しいライバル関係にありました。ただし、各々の持ち味は異なり、キュナード・ラインのモットーは「安全第一」。これは創業者サミュエル・キュナードの哲学であり、初の大西洋定期航路を開始した同社初の船ブリタニア号建造の際にも、当時としては画期的なほど安全対策に金と力を注ぎ、安全第一の観点で乗組員を選んだと言われています。 一方、ホワイトスターラインは「豪華極まりない船と、贅を尽くしたサービス」が売り物で、人気を博していました。ところが、タイタニック号の事故等々で、ホワイトスターラインは次第に経営が悪化し、とうとう、1934年に、キュナード・ラインに吸収合併されたのです。そこで、現在のキュナード・ラインは互いの強みを組み合わせ、「安全第一」と「贅を尽くしたサービス」の両方を基本理念とし、乗組員の胸にはそのサービス精神を踏襲する印としてホワイトスター・サービスのバッチが輝いています。

 

6スエズ運河鉄道橋

1スエズ運河船団

 

 

 

 

 

 

 

 

4月27日。スエズ運河通行の日がやってきました。フランスの外交官フェルディナンド・レセップスにより1869年に開通したスエズ運河は、紅海と地中海を結ぶ約163kmの水平性運河です。 通航方法は船団を組み、一列に並んで進むコンボイ方式で、当日『クイーン・エリザベス』はスエズから北上し、ポートサイドに向かう北行船団24隻の2番手を務めました。先頭はエジプトの軍艦で、予定より1時間早い午前6時に、運河に入り、荒涼とした砂漠が広がるシナイ半島と、緑と砂地が織りなすアフリカ大陸の間を割るようにゆっくりと船団は進んでゆきました。9時50分グレートビター湖を通過。ここは、一方通行の運河で対向船団がすれ違える数少ない場所なので、ポートサイドから来た南行船団の船が錨を入れ、こちらが通り過ぎるのを待っていました。やがて、ザ・エル・フェルダン鉄道橋が見えてきました。2001年に完成した世界最長の旋回橋です。その後、日本-エジプト友好橋下を通過。この橋の建設費の約60%(約135億円)は日本の無償資金協力によるもので、橋の中央には日本とエジプトの国旗が印されていました。 護衛のためにエジプト空軍のヘリコプターが、度々船の周りを飛び交う中、『クイーン・エリザベス』は、16時、無事にスエズ運河を越えました。ついに2014年の世界一周で、パナマ運河とスエズ運河の世界2大運河通航を達成したわけです。 スエズ運河の後は、イスラエルのハイファを訪れ、地球周遊紀行もいよいよ最終章。終点の英国サウサンプトンを目指し、『クイーン・エリザベス』は地中海を走り抜けます。

 

1024 7地中海夕日

このクルーズに関する問い合わせ先

QE_fleet
株式会社カーニバル・ジャパン
電話 03-3573-3610
http://www.cruise-vacations.co.jp/cunard/cruise/QE_world2014.html

 

上田寿美子さんによる2013年『飛鳥II』世界一周クルーズ記事はこちらから
http://www.webserai.jp/2013/04/post-3651.html

 

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