残暑が厳しい季節になりました。二十四節気では今年の8月23日は「処暑」にあたりますが、いかがお過ごしでしょうか?
これまでの連載では、季節の症状に合わせて漢方医学での予防の考え方をご紹介してきましたが、これからはサイト「漢方デスク」(http://www.kampodesk.com)に読者の方から寄せられる漢方相談の内容をご紹介し、症状や悩みにどのように対応するのかお伝えしたいと思います。
今回は、慢性頭痛にお悩みの方からのご相談です。
「10年以上、頭痛に悩んでいます。鎮痛剤を常用しています。深夜の仕事で就寝時刻が朝6時〜昼1時までの生活も長く、糖尿病の治療中でもあります。頭痛のタイプを調べましたら偏頭痛や群発頭痛ではないようです。いつも、背中〜首〜後頭部が痛みます。 血の巡りが悪いのではないかと思います。 そんなタイプの人にあう漢方があれば教えてください。漢方で体質改善を目指しています。
(質問者:カズ 気虚(ききょ)タイプ)
たしかに気になる頭痛はすぐになんとかしたくて鎮痛剤に頼りがちになりますよね。ただ、結局その場しのぎで慢性的な頭痛としてお悩みの方も多いのではないでしょうか?
これに対して、慶應義塾大学医学部の渡辺賢治先生の回答です。
「日本人の3人から4人に1人が頭痛に悩んでいますが、大多数を占めるのは片頭痛でも群発頭痛でもなく、緊張型頭痛です。鎮痛薬を常用していると、鎮痛薬を飲まないことそのもので頭痛が起こるようになってしまう可能性もあり、鎮痛薬からも離れるための工夫も必要です。まずは疲れをためない、姿勢に注意する、などの日常生活の注意をしていただき、ストレッチや定期的な運動をする時間を作ってください。
やはり、鎮痛剤にたよるのではなく、日常生活の見直し・生活習慣の改善をすすめていらっしゃいますね。さらに続きます。
「タイプ診断では気虚証(ききょしょう)と出ているようですが、血の巡りが悪い瘀血証(おけつしょう)タイプでも肩こりからくる頭痛が起こりやすいことがあります。気虚証に加えて瘀血証の生活習慣改善アドバイスも参考にしてみてください。
薬については漢方医の診察を受けてから処方してもらうのがよいでしょう。