熱中症予防には、水と梅干し、塩おにぎり

「熱中症を予防するには、エアコンをつけ、室内の温度や湿度を下げるほか、水分と塩分を補給しましょう。

●水か番茶で水分を補給しよう

水分補給をするなら《水か番茶》がおすすめ。ビールやカフェイン入り飲料は、利尿作用があるので脱水しやすく、熱中症予防には不向きなのです。また、年配の方は、汗が出ても喉の渇きを感じる中枢が弱っているので、意識して水分を取る必要があります。

●一粒の梅干し、塩おにぎり、味噌汁で塩分補給

梅雨明けからお盆明けまでの猛暑の時期は、健康な方も、日頃塩分を控えている方も、必ず水分とともに塩分を補給しましょう。梅干し一粒で約1gの塩分補給ができます。塩おにぎりや味噌汁で塩分摂取するのもいいでしょう。

●《水中毒》に注意!

確かにこまめな水分補給は大切なのですが、水だけを1日に3~6リットル飲むと、ナトリウムやクロールイオンなど血液中のミネラルが薄くなってしまいます。これが、《水中毒》という状態です。水中毒になると、意識がもうろうとしたり、脳がむくんでけいれんをおこしたり、ひどい時は昏睡状態に陥ることもあります。夏だからといって水を一気に、大量に飲むのは危険です。

●速乾性の服を着る

木綿や麻など天然素材の布地は、汗をよく吸って肌触りはいいのですが、汗が空気中に飛んで行きにくいので、体に熱がこもりやすくなります。ポリエステルの速乾性ウェアを着用するのがおすすめです。帽子や日傘も活用しましょう」

以上、熱中症から身を守る方法でした。万が一「熱中症かも」と思ったら、首の横、脇、足の付け根にある動脈を速やかに冷やします。ちなみに、冷却ジェルシートを貼っても体温は下げられません。冷たい水の入ったペットボトルなどを利用して下さい。熱中症を適切に予防して、猛暑を乗り切りましょう!

談/大槻俊輔 先生
近畿大学医学部附属病院 脳卒中センター 教授。神戸大学医学部卒業初期研修後、大阪大学医学部、米国国立衛生研究所、国立循環器病センター、広島大学病院をへて現職。脳卒中やてんかんなどの神経救急を専門.救急の仕事の厳しさと登山と美術鑑賞、近代史からの学びとの間を逡巡しながら、日々の人生と仕事を精一杯全力かつ謙虚誠実に打ち込んでいる。

取材・文/わたなべあや
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。小学館サライ.jp、文春オンラインで執筆。自身は、健康のために鍼灸とマッサージに通う。保護犬、保護猫、老犬介護などペット問題を温かな視線で綴る朝日新聞社「Sippo」、小学館「Petommorow」の記事も好評!

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