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冒険家・三浦雄一郎さんが教える「夏のトレッキング」注意点とおすすめコース

取材・文/わたなべあや

「今年の夏は、トレッキングを始めてみたい、どこの山に登ろうか」、そう思いを馳せる諸氏も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、80歳でエベレスト登頂に成功した冒険家でプロスキーヤーでもある三浦雄一郎さんに、サライ世代が夏にトレッキングをするにあたって知っておきたい準備と心得、そしておすすめのコースについて教えていただきました。

三浦雄一郎さん

■日頃から階段でトレーニングしよう

たとえトレッキングであっても、足にかかる負担は意外と大きいもの。特に、登りよりも下りの時に膝がもたなくなってしまうことが多いのです。そこで、下りの時に使う筋肉を意識して日頃からトレーニングを積む必要があります。

たとえば、8階建てのマンションなら、1階から3階まで歩いて登ります。3階から8階まではエレベーターで登り、下りは歩いて降りて足の筋肉を鍛えましょう。

■負荷をかけてトレーニングしてみよう

山に手ぶらで登るわけではないので、荷物を持っているのと似たような状況で、トレーニングする必要があります。

トレッキングをする場合、体重の3~4倍の負荷が体にかかるのですが、さらに荷物の加重もかかります。そのため、500mの標高差の山をトレッキングすると、平坦な道を20~30km歩くのと同じ運動量になるのです。100mの標高差の場合、最低でも4kmのウォーキングになるとお考えください。山の傾斜が急でも緩やかでも運動量に変わりはありません。

階段を使ったトレーニングやウォーキングをする時は、荷物を持っているのと同じ負荷をかけます。小さいナップサックに水を入れたペットボトルを5~10kg入れるといいでしょう。

■こまめな水分補給で熱中症対策

夏のトレッキングで気をつけたいのは熱中症予防です。30分おきに250ml、1時間で500mlの水分を補給しましょう。

ジュースを持っていく場合は半量を水で薄め、スポーツドリンクもミネラル分が多いので、3分の1を水で薄めます。汗をかいても熱がこもりにくいシャツがあるので、そうした機能性の高いウェアを利用するのもおすすめです。

■無理をしない

トレッキングをしようと登山口に立つと、どうしても意気込んでしまいがちです。しかし、最初から頑張ってしまうと、楽しいはずのトレッキングが難行苦行になってしまいます。鼻歌を歌ったり、友人と話したりできるペースが理想的です。

登り始めてから30~1時間は、ゆっくり登りましょう。そうすると体の循環器系がうまく順応しますし、体脂肪が効率よく燃焼するのです。周りの景色を眺めながらゆっくりと登り、30~40分おきにひと休みします。

■コースの選び方と携行品

コースは、日帰りできるところがおすすめです。地図で確認して、体力に見合ったコースを選びます。特に、初心者の方は楽で、良いコースを選ぶといいでしょう。実際にトレッキングをする前に、よく調べてから行くことが大切です。

携行品は以下を参考に準備してください。

・着替え
・雨具(折り畳み傘)
・好きな食べ物:おにぎり2~3個、もしくはお弁当、チョコレート、飴、バナナやりんごなどの果物
・紫外線対策のための帽子とサングラス:眼からの疲労を防ぐために、サングラスは欠かせません。

■サライ世代におすすめのコース

日本には、標高差500mくらいの、トレッキングに適した山がいたるところにあります。

たとえば関東でしたら、高尾山には6つのコースがあります。京王線の高尾山口駅で降り、ロープウェイとリフトを乗り継いで、そこから登ると、山頂まで30分もあれば到着します。麓から歩く場合は、1時間半~2時間くらいかかります。修験道だったので、和歌山県の吉野古道と同じような神秘的な雰囲気。尾根筋と谷筋があるのですが、谷筋を登ると、滝や神社の祠に出会えます。

神戸の六甲山は、50kmくらいのロングトレイルを楽しめます。海を眺めながらトレッキングできる絶景スポットです。

北海道の円山や藻岩山は、標高差200~400mなので、ハイキングのようなトレッキングができるでしょう。

トレッキングをする場合、いきなり山に向かうのではなく、日頃の運動と体力に見合ったコース選びが必要です。登山の用具点では、おしゃれで実用的な街歩きもできるウェアを販売しています。決して無理をせず、楽しくトレッキングしてください。

指導/三浦雄一郎さん(プロスキーヤー・冒険家、クラーク記念国際高等学校校長)
ミウラ・ドルフィンズ代表取締役、クラーク記念国際高等学校校長、全国森林レクリエーション協会会長、グローバル・スポーツアライアンス理事長、厚生労働省いきいき健康大使、国連WFP協会親善大使他。1932年青森市に生まれる。1964年イタリア・キロメーターランセに日本人として初めて 参加、時速172.084キロの当時の世界新記録樹立。1966年富士山直滑降。1970年エベレスト・サウスコル8,000m世界最高地点スキー滑降(ギネス認定)を成し遂げ、その記録映画 [THE MAN WHO SKIED DOWN EVEREST] はアカデミー賞を受賞。1985年世界七大陸最高峰のスキー滑降を完全達成。2003年次男(豪太)とともにエベレスト登頂、当時の世界最高年齢登頂記録(70歳7ヶ月)樹立。2008年、75歳2度目、2013年80歳にて3度目のエベレスト登頂〔世界最高年齢登頂記録更新〕を果たす。アドベンチャー・スキーヤーとしてだけでなく、全国に1万人以上生徒がいる広域通信制高校、クラーク記念国際高等学校の校長も務める。記録映画、写真集、著書多数。

取材・文/わたなべあや
1964年、大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。2015年からフリーランスライター。最新の医療情報からQOL(Quality of life)を高めるための予防医療情報まで幅広くお届けします。趣味と実益を兼ねて、お取り寄せ&手土産グルメも執筆。

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