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前列中央から時計回りに、ご飯、野蕗のきゃらぶき、煎り豆腐(人参)、鶏そぼろ、漬物(胡瓜と人参の糠漬け・壬生菜・刻み沢庵)、焼き海苔、ごんげん蒸し、大根おろし(葱・鰹節・胡麻)、納豆(葱)、絹さやの浸し(鰹節)、味噌汁(豆腐・若布・葱)、中央右は焼き鮭、左は蒲鉾と山葵漬け。今朝は小鉢に盛っているが、常備菜のきゃらぶきや煎り豆腐、鶏そぼろ、加えてごんげん蒸しなどは大皿で登場し、取り分けていただくことが多い。絹さやは昨夜の残りを浸しに。蒲鉾は、山葵漬け(静岡『野桜本店』の激辛口)をつけて食す。焼き海苔は東京・品川の『みの屋海苔店』のものを愛食。焼き海苔とごんげん蒸しの器の模様は、定紋である揚羽蝶。

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健康

努力では治せない老年期うつ病は身体治療が必要です【名医に聞く健康の秘訣】

取材・文/わたなべあや

2017年の世界保健デーのテーマは「うつ病」だったのですが、世界的にもうつ病の患者数は増加していて、自殺する人も多いため大きな問題になっています。

そこで今回は、老年期うつ病について、中核的なうつ病である「身体性うつ」を中心に、もうひとつのうつ状態「心理性うつ」と比較しながら、東京医療学院大学の上田諭先生に語っていただきました。

■うつ病は本当に心の風邪なのか?

「うつは心の風邪」というキャッチフレーズをご存知でしょうか。アメリカからSSRIという抗うつ薬が日本に入ってきて、その時の盛大なキャンペーンによってこの言葉が広まりました。そして、精神科を受診する方が増えて、それまで40万人だったうつ病患者が、2000年代以降には100万人以上に膨れ上がったのです。

しかし、うつ病は本当に「心の風邪」なのでしょうか。運動して酒をやめて眠れば良くなると主張する医師もいますが、本当の中核的なうつ病はそんなに簡単なものではありません。

■うつ病には2種類ある

老年期だけではありませんが、うつ病には「身体性うつ」と「心理性うつ」があると考えます。合併することもありますが、本来きっかけも違えば症状も異なります。

「心理性うつ」の場合、人間関係のトラブルやショックな出来事などのストレスが主な原因です。高齢の方は、認知症の初期に周囲から指摘され叱られることで多く生じます。このような「心理性うつ」は、原因がなくなれば普通改善します。しかし、中核的なうつ病である「身体性うつ」の場合、明確な原因といえるものがありません。原因がないこともあります。原因らしきものがあってそれが好転しても、うつ状態は良くなりません。

たとえば、小さな生活の変化、周囲の気になる言葉、風邪をひいた、軽いけがをしたなどといった「ちょっとしたこと」が引き金になることが多くあります

■高齢者に多い「身体性うつ」の症状と治療法

「心理性うつ」の場合は、気が紛れることをする、気持ちを切り替える、考え方や生き方を変えることも有効です。医師や臨床心理士あるいは親しい友人が話を聞いてあげたり、解決方法の相談に乗ったりすることで改善が期待できます。

一方で「身体性うつ」の場合、気分の落ち込みややる気のなさに加えて、食欲がない、眠れない、腰痛が取れないといった身体の症状が通常見られます。症状が持続すると、死にたい気持ちが強くなったり、「家が破産してしまう」とか「罰を受ける身だ」という妄想が出たりすることもあります。

脳に原因があることは推定されますが、原因は分かっていません。自然に治ることはまず見込めず、大事なのは休息(働いている場合は休職)と身体治療(薬物療法と電気けいれん療法)をすることです。薬は抗うつ薬を服用してもらいますが、早い方は2週間くらいで快方に向かうこともあれば、薬がうまく合わない場合には1年以上かかることもあり、飲んでみないと効果が分かりません。概ね6~7割の方は薬の治療で元気になれます。

また、難治の場合に行われる電気けいれん療法という脳に数秒間だけ電気を流す方法では、8~9割の方に効果が認められています。

■兆候に気付いたら必ず診察・検査を!

「身体性うつ」の場合、薬物療法や電気けいれん療法など何らかの身体治療をしないと治ることはありません。元気がない、食事ができない、眠れないなど本人が苦痛に感じる症状があれば、まずは診察を受けましょう。

老年期うつ病は女性に多いのですが、男性は頑固で我慢強く頑張ってしまう方が多いので、なかなか心療内科や精神科を受診しない傾向があります。しかし、うつ病(身体性うつ)は努力不足や怠けのせいでなるのではありません。本人のせいではないのです。身体の病気が努力で治らないのと同様、精神力で治すものではありません。ぜひ精神科の門をくぐってみて下さい。

あるうつ病の男性のお話をします。70代前半の方で、退職するまではバリバリ仕事をされていました。退職後数年間も散歩や趣味の読書をしていましたが、さしたるきっかけもないのに元気がなくなり、食事もあまりできなくなってしまいました。

内科を受診しても悪いところは見つからず、数か月が過ぎました。やがて夜も眠れず、運動もできず、好きだった読書もできなくなってしまったのです。

そこで、心配になった奥様が説得して病院に来られたのですが、ご本人は「たいしたことはない」と言われます。しかし、「調子がとても悪いようにみえます」と声をかけると、「はい」とおっしゃったのです。既に、仕事で迷惑をかけてきた、罪なことをしてきたという「罪業妄想」も現れていて、自殺の危険性があったので入院してもらいました。服薬による治療後、2週目には元気が戻り始め、妄想も消えて1か月半で退院されました。現在は元通り元気にされています。

精神科疾患の多くはそうですが、うつ病も「完治」は難しく、薬を飲みながら元の健康な状態になることを目指します。「寛解」というこの状態が治療の目標です。

うつ病は重症になれば、命にかかわる身体病といっていいのです。しかし、世の中には精神的な弱さが原因だという類いの誤解がまだまだあります。以前、朝日新聞の一面コラムがうつ病の方の自殺を取り上げ、「死ぬ覚悟があればいくらでも出直せるはずだ」という内容を書きましたが、うつ病を理解していない偏見に満ちた言い方です。患者本人が一番出直したいと思っている、でもそれができないのが病気なのです。精神論では治せません。

「もしかして心の病気?」と思ったら、内科でもいいので必ず受診して下さい。

談/上田諭先生
1957年、京都府生まれ。1981年、関西学院大学社会学部卒。新聞社勤務(記者)を経て1990年に北海道大学医学部入学。東京都多摩老人医療センター内科のち精神科、東京都老人医療センター精神科などに勤務。2007年、米国デューク大学メディカルセンター‟電気けいれん療法研修”を修了。2007年4月に日本医科大学精神神経科助教のち講師。2017年、東京医療学院大学リハビリテーション学科教授。北辰病院(埼玉県越谷市)にて高齢者専門外来(週1回)。専門医・指導医:日本精神神経学会、日本老年精神医学会、日本総合病院精神医学会。著書『治さなくてよい認知症』(2014、日本評論社)『不幸な認知症 幸せな認知症』(2014、マガジンハウス)、編書『認知症はこう診る』(2017、医学書院)など。

取材・文/わたなべあや
1964年、大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。2015年からフリーランスライター。最新の医療情報からQOLを高めるための予防医療情報まで幅広くお届けします。趣味と実益を兼ねて、お取り寄せ&手土産グルメも執筆。

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