以上、今回は、炭水化物に関する体内メカニズムと、病気の予防に役立つとされる低GI値食品についてご紹介しました。
近年の研究により、GI値を目安に食事をすることで、栄養素をバランスよく摂取でき、体重コントロールに効果的で、心臓病や糖尿病などの病気を予防することもできることが立証されています。一方で、白米や精白パンなど身近な食材でも、体重増加に関わる食事はそれらのリスクを増大させてしまうので注意が必要です。
炭水化物に関しては、誤った知識が氾濫していますが、「炭水化物は極力減らす」というのではなく、「血糖の急上昇を極力防ぐ」ことのほうが大切なのです。
【参考文献】
[1] Shai I, et al. N Engl J Med. 2008.
[2] 高橋 陽子.日本食品科学工学会誌 2011
[3] 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準 2015.
[4] Abete I,et al. Nutr Rev. 2010.
[5] Mozafarian D, et al. N Engl J Med. 2011.
[6] Wang L, et al. Arch Intern Med. 2010.
文/中村康宏
関西医科大学卒業。虎の門病院で勤務後New York University、St. John’s Universityへ留学。同公衆衛生修士課程(MPH:予防医学専攻)にて修学。同時にNORC New Yorkにて家庭医療、St. John’s Universityにて予防医学研究に従事している。