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ダイエットというと、食事制限したり、運動を続けたりと頑張って続けないと効果が出ないというイメージですよね。
ところが、ガマンせず、運動もしない頑張らないダイエット本として大ヒットした『すぼら瞬食ダイエット』の著者で、ダイエット講師の松田リエさんは「ダイエットで必要なのは食事制限ではなく食事改善。1日3食きちんと食べることから始まります」と言います。
今回は、松田さんがこれまで3500人もの指導をしてきた実績をもとにまとめた最新著書『食べるほど人生が変わるずぼらダイエット』から、ダイエットに振り回される意識を転換することで、誰でも成功できる一生もののダイエットを手に入れる方法をご紹介します。
文/松田リエ
太る原因を知る→糖質のとり過ぎ
体重コントロールに苦労している人は糖質のとり方に悪いクセがある
「それほど食べていないのに全然やせない」
「食べてはダメだとわかっていても、気づけばついつい食べ過ぎている」
あなたはどちらのタイプでしょうか? もしかしたら「両方!」という人も多いかもしれませんね。
かつての私も、ダイエットモードのときは「食べない」を頑張っていたし、それに疲れてリバウンドのターンに入ると「ガマンできずに食べ過ぎる」の日々でした。
食習慣に問題があって体重コントロールに苦労している人には、共通する特徴があります。それは、糖質をとり過ぎているということ。
糖質が多い食品の代表選手は、白米や小麦粉、砂糖など。外食ではごはん多めの丼ものを注文したり、甘い菓子パン1個で食事をすませたり……。
食べない・食べ過ぎる、どちらのタイプも糖質の比率ばかりが高くて、たんぱく質やビタミン・ミネラルが不足した現代型の栄養失調状態になっているのです。
糖質とはその名のとおり「糖」を含む食べ物のこと。食物繊維と合わせて炭水化物ともいわれ、3大栄養素のひとつです。
炭水化物(糖質)は体にとって重要ですが、とり過ぎになりやすく体に溜まりやすい栄養素でもあります。食べた糖を体内でエネルギーに変換するためには、ビタミンやミネラルなどの力が必要です。
サポート役の栄養素をとらずに糖質だけをとると、体のなかで交通渋滞を起こしてしまって脂肪へと変わっていくのです。エネルギーとして使われないものがどんどん体内に溜まっていくのだから、体が重くなって不具合が起きるのも当然ですよね。
はっきりと断言します。糖質をとり過ぎると太ります。そして老けます。健康面でも美容面でもいいことがありません。
覚えたい! 栄養と体のメカニズム「糖質とダイエット」
●糖質(炭水化物)は、ついついとり過ぎになりやすい栄養素
●糖質をとり過ぎると太る。老ける
●糖質をエネルギーとして燃やすには、ビタミン・ミネラルの力が不可欠
血糖値の乱高下は脂肪を溜め込み、メンタルにも悪影響
なぜ糖質をとり過ぎると太るのか、そのメカニズムを解説しましょう。
糖質過多は、血糖値が乱高下して体にもメンタルにも悪いことが起こります。糖質をとると、血液のなかに糖が流れて血糖値が上がります。すると血糖値を下げるホルモン・インシュリンが分泌されて、糖をエネルギーとして活用しやすい形に変えていきます。エネルギーとして使い切れなかったものは、脂肪として体内に蓄えられます。
血糖値が上がってインシュリンが分泌されること自体はいいのです。自然な体のメカニズムです。
問題なのは、一気に血糖値を急上昇させてしまうと、あふれた糖を処理するために、インシュリンもバンッと大量に分泌される、ということです。
インシュリンが頑張り過ぎて、あふれた糖をせっせと脂肪として溜め込んでいく=つまり太る、というわけです(こういう食生活を長年続けていると、インシュリンを分泌する臓器が疲れてしまって、糖尿病になったりします)。
しかもインシュリンが大量に分泌されたあとは、一気に血糖値が下がります(「血糖値スパイク」です)。血糖値が下がると体は“お腹が空いた”と勘違いして、血糖値をすぐに上げてくれるような甘いものを欲します。そこで食べてしまうとまた血糖値が急上昇して……とジェットコースター状態を繰り返します。
実はこのとき、メンタルも大変動。甘いものを食べると一瞬、高揚感を得られますが、その後急激に空腹感に襲われてイライラ、ソワソワしてしまいます。さらに抗えないような強い眠気に襲われて、集中力も低下します。
そしてさらに悪いことが。イライラを抑えるビタミンB1は、糖質をとると消耗されてしまいます。血糖値の乱高下に加え、ますますイライラが加速してしまい、新たに甘いものを求めてしまう……という悪循環をたどります。
ところで糖質に関連して、最近よく聞くGI値、ご存じでしょうか? GI値とは食品の「糖質の吸収度」の値です。
GI値が低いほど、糖をゆるやかに取り込むので、ダイエットにおすすめ。全粒粉パンやオートミールは低GI食品。食パン、白砂糖などは高GI食品です。
私の家では、和食料理には白砂糖の代わりに煮切りみりん、サンドイッチなら食パンの代わりに全粒粉パンやフランスパンなどにしています。
どのくらいまでなら糖質を食べてもいいのか? というのには個人差があります。体格やライフスタイルによってかなり変わってくるからです。
「瞬食ダイエット」では、ごはんなら1食につき握りこぶし1個分(茶碗に軽く1杯)を推奨しています。デザートで糖質が多いフルーツを食べるときも、握りこぶしより多くならない量を目安にしましょう。
フルーツの糖質、どれが多い? 少ない?
●糖質多め…バナナ、ぶどう、マンゴー、かき、りんごなど
●糖質少なめ…いちごなどベリー類、なし、グレープフルーツなど
フルーツはミネラルやビタミンも豊富。食べ過ぎに気をつければ避ける必要はない。
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著/松田リエ
小学館 1540円(税込)
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松田 リエ(マツダ リエ)/看護師・保健師・ダイエット講師
1986年生まれ。2児の母。看護師としてがん患者のケアを担当後、保健師として従事。成人の健康教育、メタボリックシンドロームや糖尿病患者への保健指導を行う。この経験から、食卓を担う女性が栄養や体の知識を身につけないと、日本の食習慣はよりよくならないことに気づく。自身が食生活で自然に12kgやせた経験を生かし、「食べ痩せダイエット講師」として起業。ダイエット相談に来る人の多くが面倒くさがりやであることに着目した、すぐ取り入れられる食事メソッド本『ずぼら瞬食ダイエット』(2022年)がベストセラーに。今秋『食べるほど人生が変わる ずぼらダイエット』を発売。SNS総フォロワー数56万人。Belle Lus株式会社代表取締役。Belle Life Style協会代表理事。Instgram:https://www.instagram.com/bls.academy
X:https://x.com/rie__matsuda
YouTube:https://www.youtube.com/c/MatsudaRie
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