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健康

夜何度も起きてしまう人のための漢方【漢方で始める「大人の養生法」】

全国的に桜の開花ラッシュが終わり、すっかり春爛漫になりました。
今はちょうど二十四節気でいうところの「清明(せいめい)」を過ぎたタイミング、万物がすがすがしく明るく美しいころを指します。
春は万物の生長・発育の時期です。すべての機能が息吹き、伸びやかに活動を再開します。天人合一(てんじんごういつ)の思想を持つ漢方では人体は自然の一部として捉えており、自然界で起こる事象は人体内でも起こると考えています。その為、人間の身体も冬の間じっと内蔵していたエネルギーが外へ向かい、活性化していく時期であるとされています。
皆様いかがお過ごしでしょうか?

「春眠暁を覚えず」という故事成語がありますが、それでも朝早く目が覚めてしまう、場合によっては夜中に何度も起きてしまうという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はそんな人向けの漢方薬について、慶應義塾大学教授の渡辺先生にお話をお伺いしました。

夜何度も起きてしまうというのは、病名ではなく体質のように思えるのですが、漢方で治療できるものでしょうか?
「年齢に伴う身体の変化は、年のせい、として諦めてしまいがちですが、漢方の考え方を活用して改善することが見込めます。例えばトイレに何度も行きたくなるために夜何度も起きてしまうのであれば、年齢に伴うホルモンの変動により夜中の尿量が多くなることが考えられますので、床に着く2時間ほど前からは飲水を控えることが必要です。その上で、冷えがあるかどうかなどを確認して漢方的に治療を考えることになります」

どんな漢方薬が考えられるのでしょうか?
「例えば八味地黄丸(八味丸)、牛車腎気丸、真武湯などが考えられます。特に八味地黄丸はよく使われる処方です」

代表的な八味地黄丸は、どんな漢方薬なのでしょうか?
「八味地黄丸というのは、七味唐辛子と同じように名付けられています。八つの生薬でできているので八味、そして一番重要な生薬である地黄の名前を冠しているのです。丸というのは、もともとこの漢方薬を作った時に、ひいて粉にした生薬をハチミツで丸めて作っていたということを指しています。丸薬にすることで、生薬が少しずつ溶け出すため胃腸に負担がかかりにくいということに加えて、持ち運びも便利になります。水戸黄門で有名な印籠は、丸薬などを入れていた薬箱でした。地黄というのは馴染みの薄い生薬ですが、他にも体を温めるとされる桂皮(シナモン)や精力をつけるとされる山薬(山芋)などを含んでいますので意外と身近なものが使われています」

その漢方薬を手に入れるにはどうしたらよいでしょうか?
「漢方薬を手にいれるにはやはり漢方医を受診して診察を受けた上で、ご自身に合っているものを処方してもらうのが一番です。試してみる、というのであれば八味地黄丸などは漢方薬局やドラッグストア、インターネットでもお求めいただけます」

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写真はゴマノハグサ科ジオウ属の植物、地黄。根茎の部分を生薬として使用する。

文/葉山茂一(はやま・しげかず)
漢方デスク株式会社代表取締役。漢方・薬膳の総合ポータルサイト「漢方デスク(http://www.kampodesk.com)」を企画・運営。

取材協力/渡辺賢治(わたなべ・けんじ)
慶應義塾大学環境情報学部教授医学部兼担教授。漢方デスクの漢方医学監修を務める。

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