徳川家康像(浜松城)

戦国乱世を生きぬいた武将たちは、健康に気を配り、維持することに余念がなかったといいます。近代的な医学研究が一切行われていなかった時代にあって、病気や戦でのけがを克服するために、さまざまな健康法に力を注いできたようです。心身が健康でなくては戦に勝ち続けることはできず、天下を平定するためには長寿であることが必要なので、当然のことかもしれません。

今回は、これまで『サライ.jp』でお伝えしてきた、名武将たちが実行してきた“独自の健康法”をご紹介します。それぞれの個性も表れて、興味深いこと請け合いです。

1:粗食、運動、ストレス解消は長寿の基本

徳川家康(写真/大阪城天守閣蔵)

75歳まで生き抜いた徳川家康は、44歳の時に大病を患ったことをきっかけに健康意識が高まったといいます。その後は、薬草に関する研究に力を入れ、学者顔負けの知識を身につけたとか。食生活にも気を配り、趣味の鷹狩りは日頃の運動不足とストレスの解消にも役立ちました。

いつの時代も、食事と運動、そしてストレスを溜めないことが健康の基本で、長寿へとつながることを実感させてくれます。

信長49歳、秀吉62歳、家康はなんと75歳! 天下人・徳川家康の「長寿の極意」3か条

2:お金をかけなくても、健康対策は可能

伊達政宗甲冑姿木像(瑞巌寺蔵)

豪胆なイメージがある伊達政宗ですが、健康管理には細心の注意を払っていたそう。そして、その健康法が大国の大名とは思えないほど庶民的で、親近感がわきます。

5つある健康法を既に実践されている読者も多いかもしれません。幼少時の病で片目を失いながら、70歳という長寿を全うした政宗の“独眼竜健康法”を今日から取り入れてみませんか?

意外と生真面目!?  伊達政宗の「独眼流」健康法5つ【戦国武将の健康術】

3:ごもっともな意見に耳が痛い諸氏も…

紙本著色毛利元就像(一部)

75歳という長寿を全うした毛利元就の健康法は「酒を慎むこと」。

祖父、父、兄が若死にしたのは、酒の飲み過ぎが原因と考えていたことから、元就は酒にほとんど口をつけなかったそうです。

また、「酒で気晴らしすることなどあってはならない」と息子に注意することもあったようで、耳が痛い諸氏も多いのでは?

長寿の秘訣は「酒を慎むこと」。ほとんど酒を飲まなかった毛利元就の飲酒論【戦国武将の健康術】

4:「三服の茶」は、気配りと同時に健康法でもあった!

戦国時代の武将たちのたしなみであった茶道

羽柴秀吉と石田三成の出会いのきっかけとして知られる「三服の茶」のエピソード。温度の異なるお茶を出し、三成のその気配りに秀吉は感動するのですが、実は健康法としても効果的だとか。

三成が経験則として、飲み方ひとつでお茶の健康効果を引き出せることを知っていたのならば感服です。

じつは理にかなっていた? 石田三成の「三服の茶」は、なぜ健康にいいのか

5:良妻のストレス解消法は、現代にも通ず

豊臣秀吉の正室おね(高台寺蔵)

湯治として温泉を活用した武将たちは多くいます。最後は武将ではありませんが、豊臣秀吉の正妻おね(ねねね)も、温泉を愛したひとり。折に触れて、大坂から近い有馬温泉へ出かけていたようです。

天下人である夫を陰で支えながら、秀吉も頭が上がらなかったと伝えられる女傑のストレス解消法が、旅と温泉だったのでしょう。現代の女性にも通じるものを感じます。

豊臣秀吉も頭が上がらなかった女傑・おねの健康の秘訣

* * *

歴史に名を残す武将たちとその妻の健康法は、非常にシンプル。明日、何が起きるかわからない時代を生きた人たちだからこそ、真摯に自分と向き合っていたことが感じられます。

武将たちを見習って、三日坊主の健康法ではなく、無理のないことを継続するのが現代人に求められている一番の健康法かもしれません。

文/編集部

 

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