ゴルフの練習やラウンドのたびに、腰や脚の痛みが悪化してしまう……。
そのような場合、スイングや歩行などの動作にちょっとした問題があり、それが原因になっていることがあります。その原因と改善方法を解説します。

ゴルフのたびに痛みが出る60代男性

Oさん(60代男性)は、ゴルフの練習やラウンドの後半などに、右脚の外側や右の殿部、腰などに痛みやしびれが出てしまいます。

以前は2日連続のプレーも平気だったのですが、最近は痛くなってしまうので週1回程度に抑えています。ゴルフのあとにサウナに行き、マッサージを受けると良くなりますが、またゴルフをすると痛みが出る……、という繰り返しでした。整形外科を受診すると、軽い脊柱管狭窄はあるがひどくはないので手術はせずに痛み止めなどで様子をみましょう、とのこと。薬はある程度効きますが、ゴルフのあとに痛みが出るのは変わりませんでした。

Oさんはそんな症状で悩んでいる時に、筆者の腰痛トレーニング研究所(https://www.re-studio.jp/index.html)を知り、訪ねてこられました。

このように、特定のスポーツや作業をすると痛みが出る場合、その時におこなっている動作のどこかに問題がある可能性が高いといえます。

ゴルフのたびに痛みが出る原因は?

何回か通常の施術治療とストレッチなどの指導をおこなうと、症状は改善傾向になってきました。しかし今ひとつ治りきらない状態で、やはりゴルフをしたあとは痛みが出ていました。

そこで歩行とスイングの動作をチェックすると、腰痛坐骨神経痛をおこしやすい特徴的な動作をしているポイントが3点ありました。

ひとつは歩行時の歩幅が狭いこと。
2つ目は歩行時もスイング時も足の指が浮いていること。
3つ目はバックスイングの時に右足が踵重心になっていること。

1)歩幅が狭い

Oさんの歩き方をみると、成人男性にしてはやや歩幅が狭いちょこちょことした歩き方になっていました。このような歩き方は、腰痛坐骨神経痛の方には良く見受けられるのですが、歩幅が狭いと一部の筋肉しか使われないため、その筋肉に負担や疲労が集中し、徐々に痛みが出てくるということがあります。

2)足の指が浮いている

歩幅の狭さとも関係しますが、歩く時に足を蹴る際に足の指をしっかりと踏ん張って蹴れていませんでした。

またスイングの際にも足の指が浮き気味で、踵重心になっていました。

3)バックスイング時に右足が踵重心

とくにバックスイングになると右足の親指が大きく浮くようになって、大きく踵重心になっていました。こうなると右脚の内側の筋肉(内転筋など)が十分に働けなくなり、脚の外側に負荷がかかりやすくなってしまいます。

このようにポイントは3つありましたが、これらはすべて関連していて、根本的には足の指が浮きやすくなってしまっていること、つまり浮き指が原因と思われました。

浮き指とは?

浮き指とは、立っている時や歩いている時などに足の指が自然に浮いてしまっている状態をいいます。

上の図ではやや大げさに浮いてしまっていますが、一見指が床に着いているように見えても、足の指に力が入っておらず、踏ん張れていない状態であれば浮き指といっています。足の部分は人体の土台となり、体を支えるとても大事な役割を担っていますが、その大部分は指の力がおこなっていると言っても過言ではありません。

浮き指ではその機能が大幅に低下してしまうため、それを補うために膝や股関節、骨盤や腰に負担がかかってしまうのです。

Oさんの場合、ゴルフの際に長時間歩いたり、何度もスイングを繰り返しおこなったりしていると、足の指や足の内側の筋肉がうまく機能しないために外側に負担がかかり、右腿の外側や殿部、腰などに痛みがでてしまっているのだと考えられました。

浮き指の改善方法

Oさんには、このように浮き指が大きな原因であること、そして普段の動作に少し気をつけることで改善できる可能性が高いことを説明し、以下の点に気をつけるようにアドバイスをしました。

1.やや大股で歩く

Oさんは、ゴルフ以外にも毎朝ウォーキングを欠かさない習慣がありました。そこで、歩く時に3~5cmでいいので今までより少し大股で歩くこと、またその際に後ろ足の指でしっかり蹴るように歩くことを提案しました。

2.バックスイングの時に右足の指から体重を外さない

ゴルフのスイングでは、まずアドレスの際に足の指にしっかりと体重をかけて踏ん張ること。またバックスイングでは右足の指でしっかりと地面をとらえ、指から体重が外れないこと。この2つを提案しました。

その場でシャドースイングをおこなっていただいたところ、右足の指に気をつけるとしっかりと踏ん張れて安定するという感触でした。

これらの点に気をつけていただいたところ、徐々に症状が出なくなり、ゴルフ後の痛みはほとんど気にならなくなってきました。もう少し暖かくなってきたら、また2日連続のプレーなどもしてみようかな? と意欲も戻ってきたようでした。

浮き指を改善するトレーニング

動作に気をつける以外に、次のようなトレーニングをおこなうことも浮き指改善には効果が期待できます。

自宅で出来る!腰痛トレーニングDVD(https://www.re-studio.jp/dvd.html)より

イスの背もたれや壁などに手を添えて、体を軽く支えます。
あまり手や腕に体重をかけ過ぎないようにしてください。

脚を肩幅くらいに開き、下腹部を引っ込めるように力を入れて締めます。

そこからつま先立ちをするように踵を上げる → 一秒止める → 踵を下ろす
これを繰り返します。

踵を上げた時は、足の指にしっかりと体重をかけて踏ん張るようにします。

踵を上げる時、からだをまっすぐに上下するようにしてください。
膝が曲がったり、前のめりになったり、ふらついたりしないように注意しましょう。

1セット10~20回程度として、1日2~3セットおこなってください。

このトレーニングをおこなうことで痛みが出る、または痛みのためにこのトレーニング自体ができないようでしたらやめてください。

以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。

腰痛・坐骨神経痛を改善する歩き方とは?【川口陽海の腰痛改善教室 第35回】(https://serai.jp/health/387876

腰痛を改善したら飛距離アップ! 50代女性ゴルファーが取り組んだ体幹インナーマッスルトレーニング【川口陽海の腰痛改善教室 第48回】(https://serai.jp/health/1004876

腰痛・坐骨神経痛の原因は股関節! 股関節トレーニングで痛みを改善【川口陽海の腰痛改善教室 第81回】(https://serai.jp/health/1057841

ヘルニア・脊柱菅狭窄症|テニスボールで脚の痛みやしびれを改善する方法【川口陽海の腰痛改善教室 第78回】(https://serai.jp/health/1050575

《狭窄症・坐骨神経痛》太もも裏の痛みやしびれを改善するストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第76回】(https://serai.jp/health/1046070

拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
お読みいただけると幸いです。

文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616 http://www.re-studio.jp/index.html

腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(健康プレミアムシリーズ)川口陽海(著/文) 永澤守(監修) 発行:アスコム
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