つくり方
(1)まず、ひねショウガを1ミリくらいの厚さにスライス。はじめのうちは、スーパーで売っている1パック(100グラム程度)でやってみることを著者は勧めている。
ざっと洗って皮の汚れている部分だけを取ります。皮のすぐ下に薬効成分がたくさんあるので、皮はなるべく取りません。
スライスするときは、できるだけショウガの縞模様に並行に包丁を入れます。スライスする厚さですが、厚いと乾燥に時間がかかります。(本書73ページより)
(2)次にオーブンを80度にセットし、タイマーを1時間に設定してショウガを加熱。
ショウガの量や厚さ、オーブンの性能によって完成時間は変わります。45分くらいたったら、ショウガの状態をこまめにチェックしてください。ひからびた感じになったら完成ですので、オーブンから出します。(本書74ページより)
1時間経っても完成しない場合は、10分刻みで延長してみればいいそうだ。手持ちのオーブンが80度にセットできない場合は、いちばん近い温度でもOK。ただし、あまり温度が高いと効能が少なくなってしまうというので注意したい。
(3)そして、ショウガが充分に乾燥したら完成。
オーブンから外に出し、さめてから保存容器に入れましょう。時間を延長してもなかなか乾燥しない場合は、天日干しか室内干しで完成させます。(本書74〜75ページより)
特筆すべきは、こうしてつくった蒸しショウガの使い勝手のよさだ。おろしショウガは冷蔵庫で2、3日しか有効成分を保つことができないが、乾燥させた蒸しショウガは常温で3カ月くらいの長期保存が可能なのである(ただし湿気を嫌うんで、密閉容器に入れておく必要がある)。
そればかりか、粉末または細かく刻んだ蒸しショウガなら、小さなビンや袋などで簡単に持ち運びができる。自宅はもちろんのこと、引き出しなどにある程度の量を保管しておけば、職場でも簡単に蒸しショウガ紅茶がつくれるのだ。
なお、気になるのは「一度にどのくらい食べればいいのか」ということだが、著者によれば好きなだけ食べてかまわないようだ。
ショウガはアメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)が「いくら食べても大丈夫な、危険でないハーブ」と発表している食品です。薬と違って副作用がなく、胃を痛めることもありません。ショウガには健胃作用もあって、胃薬である安中散にもショウガが入っています。(本書60ページより)
ショウガの特徴は、生の原材料が安く手に入る点である。しかもチューブ入りおろしショウガや粉末などの加工品よりも割安。当然ながら生のショウガは加工品よりも薬効成分が多いので、メリットはとても多いわけだ。
そんな蒸しショウガを使った多くのレシピが本書では紹介されている。“蒸しショウガ紅茶”や“蒸しショウガジンジャーエール”などの飲み物はもちろんのこと、“ジンジャートースト”“かけるだけ焼きそば”、これからの季節にうれしい“蒸しショウガ鍋”などバリエーションも豊富。どれも簡単なので、試してみてはいかがだろうか?
なにしろ体のなかから温まるのだから、冬をポカポカと暖かく過ごせるかもしれない。
『お医者さんがすすめる 不調を治す10倍ショウガの作り方』
文/印南敦史 作家、書評家、編集者。株式会社アンビエンス代表取締役。1962年東京生まれ。音楽雑誌の編集長を経て独立。複数のウェブ媒体で書評欄を担当。著書に『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)などがある。新刊は『「書くのが苦手」な人のための文章術』( PHP研究所)。2020年6月、「日本一ネット」から「書評執筆数日本一」と認定される。