日本人の約8割が「疲れている」と回答するなど、疲労は現代的な“国民病”と言われます。仕事や人間関係のストレス、運動や睡眠の不足、スマートフォンへの依存など、様々な原因が指摘されますが、医学的に間違った「食事のあり方」を問題視するのが牧田善二医師です。新著『疲れない体をつくるための最高の食事術』が話題の牧田医師が解説します。

解説 牧田善二(まきたぜんじ)さん(糖尿病・アンチエイジング専門医)

昭和26年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。久留米大学医学部教授などを経て、平成15年、糖尿病などの生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を開業。

栄養価が大違い。旬の食材を食べる

今は、たいていの食材が一年中、スーパーの店頭に並んでいます。しかし、かつては、いつでもあるのは肉類や大豆食品、練り物や缶詰などの加工食品くらいでした。

本来、食材には「旬」があり、とくに、野菜や果物などはそれが顕著です。たとえば、なすやトマトは夏、ほうれん草や小松菜は冬の野菜です(図14参照)。しかし、今はたいてい、どれもいつでも手に入ります。

ただ、時期によって含まれる栄養価が変わります

ほうれん草の場合、旬である冬と比較して、夏はビタミンCが約3分の1に、ベータカロテンはおよそ半分に減ってしまうとも言われます。

ポパイが好んで食べていたほうれん草が、健康維持や疲労回復に優れた食材だということは多くの人が知っているはずです。

しかし、夏のほうれん草では、冬ほどの効果は期待できないわけです。

ほかのどの野菜も、旬の時期が一番、栄養価が高くなります。それに、旬の食材は安く手に入ります。

魚介類や果物も同様で、旬のものは美味しくて栄養価が高いのに、値段は安くなっています。

ですから、スーパーに行ったら、旬にこだわって買い物をするのが賢い方法です。食材に同じ3000円を使うにしても、なにも考えない人とは手にできる栄養価が違います。

それに、胃腸への負担も少なくなります

たとえば、小鉢1杯のほうれん草のおひたしを食べるとき、夏でも冬でも胃腸は同じように働いてくれます。でも、そこから得られる栄養価が違うなら、旬の食材を食べたほうが効率的でしょう。

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世界最新の医学的データと20年の臨床経験から考案『疲れない体をつくる最高の食事術』

現代人の疲れは過労やストレスではなく、「食」にこそ大きな原因がある。誤った知識に基づく食事は慢性疲労ばかりか、肥満や老化、病気をも呼び込む。健康長寿にも繋がる「ミラクルフード」の数々を、最新医学データや臨床経験を交えながら、具体的かつ平易に解説している。

『疲れない体をつくる最高の食事術』
牧田善二/著 四六判208ページ 小学館刊 1650円(税込)

 

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