腰痛に効くツボがあります。それは腰方形筋という腰の筋肉。テニスボールでほぐすのが効果的です。
腰方形筋(ようほうけいきん)は、ろっ骨と骨盤をつなぐ筋肉です。
上の画像の★の印の部分、ちょうど腰に手を当てた時に自然と親指が当たるあたりにある筋肉です。
この筋肉は、腰や背骨を支える重要な筋肉で、とくに長時間座ったままでいたりすると負担がかかり、こり固まってしまいます。
筋肉はこり固まってしまうと血行不良をおこし、さらにこり固まるという悪循環に陥り、最後はトリガーポイントと言われるしこり状の発痛点ができてしまいます。
腰方形筋に発痛点=トリガーポイントができると、腰の横から骨盤のまわりに痛みがおこります。
❌印がトリガーポイントで、そこから赤い範囲に痛みやしびれがおこります。
まさによくある腰痛の痛みのパターンと一致すると思いますが、あなたの腰痛とも似ているでしょうか?
このような痛みは背骨や神経からではなく、筋肉から起こることがあるのです。
トリガーポイントについては本連載ではおなじみですが、詳しく知りたい方は次のページをご覧ください。
腰痛・坐骨神経痛のトリガーポイント治療
腰方形筋をほぐす方法
筆者の腰痛トレーニング研究所では、腰方形筋をテニスボールでほぐす方法をおすすめしています。
硬式のテニスボールをご用意ください。
まず、ボールを当てる部分を、以下の画像でおおよそイメージしてください。
横にまっすぐ伸びた赤い点線が、腰のベルトのラインくらいです。
その上で、背骨から7~10cmくらい外側、上の画像の丸く点線で囲われたあたりです。
おへその真裏くらいの高さで、腰のクビレ(ウェスト)の部分に両手の4本指を当てたときに、親指があたるくらいの場所です。
それでは実際にテニスボールを使ってほぐしてみましょう。
床に仰向けになり、両膝を立てます。バスタオルやヨガマットなどを敷くとより良いでしょう。
身体を傾けるようにして、腰のクビレより少し上、おへその真裏くらいの高さで背骨から7~10cmほど外側にボールを入れ、ゆっくりと体重を乗せるようにしましょう。
腰のあたりにボールを当てようとすると、つい腰を持ち上げて上から乗っかってしまうかもしれませんが、この方法だといきなり強い刺激がかかりますので、あまりおすすめできません。
身体を傾けて優しく当てるようにしてください。
そして息を吐いて身体の力を抜いていきます。
とくにボールが当たるところの力をうまく抜くようにしてください。
多少痛みがあったりすると、つい当てている部分に力が入ってしまうと思いますが、そうすると筋肉が固まってうまくほぐれません。
あえて力を抜くようにすることで、奥の方までほぐすことができます。
グリグリと転がすように刺激するのは、痛みがある時にやると逆に痛みが増したりしますので、やらないようにしましょう。
うまくポイントに当たると、『痛気持ちいい』『ジーンと効く感じ』『ツボを押されている感覚』などがあります。
このような感覚を感じるところを探しながら、1cmずつくらいボールを動かしていきます。
ちょっとした位置やボールを当てる角度により、効く感じが変わると思いますので、「どのへんが効くかな?」とボールを当てながら探してみてください。
時間としては、
●1か所10~20秒程度
●全体でも5~15分程度
くらいから始めることをおすすめしています。
あまり長い時間おこなうと、その後で、または翌日などにかえって痛みが増したりしますので、はじめは短時間でおこなって様子をみてください。
短時間おこなって大丈夫なようでしたら、少しずつ時間を伸ばしてみましょう。
痛みが残ったり、あとで痛みが増したりするようなら、刺激のしかたが強すぎるか時間が長すぎますので加減してください。
ほぐしているときの感覚ですが、
●ほぐしている時に『痛気持ちいい』『ジーンと効く感じ』『ツボを押されている感覚』などがある
●ほぐした後に、そのあたりが『軽くなる感じ』『すっきりする感じ』『ホカホカする感じ』『じわっと血が巡る感じ』など良い感じがある
このような感覚があれば効果があります。
逆に
◆ほぐしている時に『すごく痛い』『嫌な感じや不快感』などがある
◆ほぐした後に痛みが残ったり、痛みが増したりする
このような場合は、うまくできていないか、またはテニスボールでほぐすのは適していないと思われますので、やめておきましょう。
以下の記事でも腰痛改善法をご紹介していますので、ぜひお読みください。
腰痛・坐骨神経痛に効くストレッチ 「内腿のつけ根」をゆるめて痛みを改善!【川口陽海の腰痛改善教室 第53回】
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慢性腰痛を改善!誰でも簡単にできて効果的な6つのストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第21回】
拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
お読みいただけると幸いです。
文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
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