簡単マッサージとストレッチで足首周囲をほぐすと、脚全体の筋肉がゆるんで、お尻や脚の痛みがやわらぎます。
お尻や脚の痛みは坐骨神経痛と診断されることが多く、その原因として腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などがみつかることがあります。
筆者の腰痛トレーニング研究所には、お尻や脚の痛みでお悩みの方がたくさん訪れますが、ヘルニアや狭窄はそのままでも、ほとんどの場合、痛みは改善することができます。
もしあなたがこのような症状でお悩みなら、ぜひこの記事を参考にセルフケアをおこなってみてください。
足首周囲の筋肉
足首周囲からふくらはぎには、以下の図のように、足首や足の指を動かす筋肉がたくさんあります。
これらの筋肉は、主に立ったり歩いたりする時に使われる筋肉ですが、運動不足、過労、寝不足、栄養不良、オーバーユース(使いすぎ)など、様々な原因で緊張してこり固まってしまうことがあります。
またこれらの筋肉は、膝から上の太ももやお尻、そして腰の筋肉までつながっていきます。
これを筋膜連鎖といいますが、つながっている筋肉はお互いに影響を及ぼし合います。
例えばふくらはぎの筋肉が緊張して固くなってしまうと、その緊張が太ももやお尻の筋肉までひっぱって、痛みなどの症状を引き起こしてしまうことがあるのです。
逆にふくらはぎの筋肉をゆるめると、太ももやお尻など脚全体がゆるんでいくことがあり、それによって遠く離れたお尻や脚全体の痛みを改善することができるのです。
足首をゆるめる方法
アキレス腱からふくらはぎにかけてほぐすことで、これらの筋肉をゆるめることができます。
やり方は簡単!
イスに座って足首を反対の膝に乗せ、両手の親指でアキレス腱からふくらはぎを、以下のように指圧マッサージの要領でほぐしてみましょう。
狙うのは、主にアキレス腱からまっすぐ膝裏に向かうラインとその周囲です。
アキレス腱に親指を当て、指圧の要領で押したり、押したまま腱を転がすようにしたりしてほぐします。
そのままふくらはぎを膝に向かって、指の位置をずらしながらほぐしていきます。
またふくらはぎを両手の四指でつかむようにほぐすのも良いでしょう。
痛気持ちよく感じる部分を中心に良くほぐしましょう。
ほぐしたあとに脚が軽くなるような感じがあればOKです。
アキレス腱周囲は固いので、やや強めに押したほうが効果を感じるかもしれませんが、強くやりすぎるとかえって痛みをおこすことがありますので、その点はご注意ください。
足首のエクササイズ
足首からふくらはぎを良くほぐしたら、軽くエクササイズをしましょう。
動かすことで血行が良くなり、より筋肉がゆるみます。
以下を参考におこなってみてください。
仰向けに寝た姿勢で、足首を動かします。
まずは足首の上下運動です。
足の指を曲げながらつま先を下に向けます。
次に足の指を反らしながらつま先を上に向けます。
これを10~30回ほど繰り返します。
次に足首を回します。
回しながらつま先が下に向いたときは足の指を握るようにし、つま先が上に向いたときは足の指を反らして開くようにします。
これも10~30回ほどおこなってみましょう。
終わったら反対回りもおこないます。
※ご注意:痛みのためにこの運動ができない、またはこの運動をおこなうと症状が悪化する時はやめてください。
以下の記事でも腰痛改善トレーニングをご紹介しています。
ヘルニア・坐骨神経痛 腿の裏側の痛みを改善するストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第50回】
腰痛を楽にするポイントはココ!テニスボールでほぐす効果的な方法【川口陽海の腰痛改善教室 第45回】
腰痛・坐骨神経痛を自宅で改善!(その2)手軽に出来る3つの殿筋ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第39回】
腰痛・坐骨神経痛の改善はストレッチから! 痛む部位別にわかる簡単ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第28回】
慢性腰痛を改善!誰でも簡単にできて効果的な6つのストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第21回】
拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
お読みいただけると幸いです。
文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616 http://www.re-studio.jp/index.html