「あれ? なんて漢字だったっけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第32回目は、「出生率」をご紹介します。少子化問題のニュースでよく耳にする言葉ですね。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「出生率」はなんと読む?
「出生率」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「生」の読み方がポイントです……
正解は……
「しゅっしょうりつ」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「一定期間に生まれた人の数の、人口に対する割合」と説明されています。「出生率」を「しゅっせいりつ」と読むのは、慣用読みです。間違いではありませんし、アナウンサーでもこちらの読み方をしている人もいます。
ただ、慣用読みはあくまでも間違った読み方が広まって一般的になったもの。正式な読み方は「しゅっしょうりつ」だと覚えておくのが良いでしょう。
■「出生率」の漢字の構造とは?
「出生率」を構成する漢字を見ていきましょう。「出生率」は、「出生」という言葉と、割合を意味する「率」が合わさった熟語です。
「生」という字は「ショウ」とも「セイ」とも読みます。例えば「生(セイ)」が用いられている言葉には、「衛生・生誕・生態」などがあります。そして「生(ショウ)」が用いられている言葉には、「託生・生涯・七生」などがあります。
■他にもある日常の中の慣用読み 「早急」は?
「出生」は、慣用読みと正式な読み方が混在しているややこしい言葉だと分かりました。他にも同じように、紛らわしい読み方をする漢字があります。それが「早急」です。この漢字を普段何と読んでいますか?
正式な読み方は……
「さっきゅう」です。
「そうきゅう」は慣用読みとなります。「早」を「サッ」と読む読み方は「常用漢字表」にも載っていますが、用例が少ないため、「ソウ」という読み間違えが広がりました。
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いかがでしたか? 今回の「出生率」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 慣用読みと正式な読み方とを区別して、覚えていきたいですね。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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