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【名門校の青春食堂 第3回】武蔵高等学校中学校×好々亭と砂時計(東京・江古田)

文/鈴木隆祐

武蔵生のソウルフード!江古田の洋食2大名店『好々亭』と『砂時計』 

イラスト/若菜由三香

江古田の「好々亭」は某誌の取材で、武蔵中学校・高等学校出身の俳優・村上一朗太さんと伺った店だ。その3年前の2011年に村上さんは、日本テレビの『ぶらり途中下車の旅』の旅人としても同店を訪れている。

番組同様、村上さんには母校とその界隈も案内してもらった。江古田駅は1922年の開業当初、武蔵高等学校用仮停留所という名前が付いていた。あくまで同校の生徒のための駅だったのだ。放課後に入り浸った駅周辺の雀荘やらゲーセンが「もうない」「まだあった」の話にすっかり花が咲いた。江古田はぼくにとっても、中高大と名画座がよいを毎週のようにした、縁の深い町だ。

そんな村上さんが40種以上ある好々亭のセットメニューからオーダーしたのが、「高校時代には高嶺の花だった」というスペシャル3品盛り合わせ定食(現950円)。この店自慢のハンバーグステーキ、カニクリームコロッケ、そして大エビフライが皿の上に所狭しと載る。

真ん中に主役のエビがドンと置かれ、嫌でも存在感を放っている。これがサクサクで身もほっくり、甘みがあって大変おいしい。飯はお櫃で提供され、ほかほかのツヤツヤ。ハンバーグのデミソースも本格的だし、大盛り野菜にナポリタンも添えられる。宮川さんの部活は新聞部だったが、その合宿で取るオードブルの出前でも、この味には慣らされていた様子だ。

「いや〜、味の記憶ってあるものですね。当時はこの店に行けば、必ず学校の誰かがいて…。あの頃の記憶が沸々と甦ってきました」

デビュー作の映画、『家族ゲーム』の主人公そのままの、万年高校生がそこにいた。

*  *  *

もう一軒、江古田にある「砂時計」は創業36年。どちらかといえば、武蔵野音大生の領分と聞いたが、筆者の近著『名門高校 青春グルメ』の取材に協力してくれた、武蔵出身で現役東大生のW君も行きつけにしていたというから、間違いなく同校生のソウルフードでもある。

だが、ぼくはずっと二の足を踏んでいた。というのも、いつ覗いても女子ばかり。店の隅にグランドピアノも置かれた、ファンシーな店内の様子からも男子、いや中年男にはとても入りづらかった。一昨年になってようやく初入店し、自らの臆病さをいたく悔やんだ次第である。

オーダーした皿が届いた瞬間、なんせ唸ってしまった。拍子抜けするくらい、その量・味とともに侠気系な店だったからだ。メニューには「女性の方に ごはんのお変り(ママ)自由です!!」のメッセージ。男のぼくでも大いに励まれる。

チキン南蛮定食(850円)は本場のそれとはちょっと違い、唐揚げの甘辛だれ和えにタルタルソースが脇に盛られた恰好。味は濃いめで、白飯か高菜飯かで選べる大盛りライスがわしわし進んでしまう。一把分はあろうかというホウレン草とベーコンの炒めがふんだんに乗り、さらには巨大なオムレツで覆われたポパイスパゲティ(980円)もダイナミックな一皿だ。どちらも雰囲気をいい意味で裏切る、パワフルな味と盛りつけ。ランチはディナーの値段から何十円か割引になるようだ。

ぼくはワインを傾けながらの食事だったが、隣の男女混成音大生グループは酒も飲まず、楽しげに箸と口を動かしている。女子でも名物の『ローマの休日』(鶏肉乗せトマトチーズドリア。かの名画の主演俳優の名を取ったメニュー)の男盛り版、グレゴリー(女盛りはオードリー)をオーダーしペロッと平らげ、パフェまで追加。音楽家はみな健啖だ。

砂時計のご主人は元ピアニストで今年86歳、奥様は歌手で91歳になるが、まったくそうは見えない。その矍鑠たる姿にも心打たれるが、「学生たちと触れ合うのも若さの秘訣」と聞いて納得だ。

【学校データ】
武蔵中学校・高等学校
男子校/創立:1922年
住所:東京都練馬区豊玉上1-26-1
7年制の旧制高等学校が母体。東大総長や文相を歴任した有馬朗人は現学園長で、他にもアカデミズムに進むOBは多い。財界では元東芝会長の西室泰三、ドクターシーラボ創業者の城野親徳ら。放送作家の高平哲郎と作家の景山民夫は同期。

【店データ】
好々亭(こうこうてい)
住所:東京都練馬区栄町3-9
営業時間:11:00~20:00
定休日:友引の前日
電話:03-3991-2574

砂時計
住所:東京都練馬区栄町37-16
営業時間:11:00~15:00 18:00~23:00
定休日:水曜
電話:03-3948-7727
※関連記事:合わせて175歳超の音楽家夫婦が切り盛り!江古田『砂時計』は音大生が集うユニーク洋食店【大人の東京実用グルメ10】

文・写真/鈴木隆祐
1966年生まれ。著述家。教育・ビジネスをフィールドに『名門中学 最高の授業』『全国創業者列伝』ほか著書多数。食べ歩きはライフワークで、『東京B級グルメ放浪記』『愛しの街場中華』『東京実用食堂』などの著書がある。近著に『名門高校 青春グルメ』がある。

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