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【懐かしの母校食堂 第2回】麻布中学校高等学校×那須飯店の肉定食(東京・広尾)

文/鈴木隆祐

40代以上の麻布OBなら誰もが知っている『那須飯店』の肉定食。失われたはずの味が今でも食べられる店があった!

イラスト/若菜由三香

麻布中高は自由闊達がモットー。したがって校則がない。ただ、「授業中に麻雀をしない」「鉄下駄を履いて登校しない」「教室に出前を取らない」という“暗黙の了解”があるだけ。しかし、いったい鉄下駄って……。

教室ですき焼きをした生徒もいたそうだから、出前など可愛いもの。だが、それを先生に見つかり、逆に綺麗に平らげられてしまったとか。そこで「見つかっては損」と、あえて生徒たち自ら禁止事項としたらしい。そんな出前を取る店の定番が、門前中華の「那須飯店」だった。

何度となく取材をした麻布OB、社会学者の宮台真司さんも「ああ、ナスハン……肉定ね〜」と懐かしそうに回想していた。肉定食が縮んで肉定なのだが、これがどういう代物かといえば、平皿にライスが舟形に盛られ、その脇に肉野菜炒めが山と盛られた品。

そもそも、那須飯店は麻布中高のごく近くにあったが、70年代初頭に広尾駅近くにも支店ができ、「上那須」「下那須」と呼び分けられていた。やがて上は閉店、下だけが残った。実はぼくも以前、この下那須をけっこう利用した。三十路に突入した頃、フリー稼業にいったんピリオドを打ち、転がり込んだ先の制作会社が元麻布にあった。そこで出前をよく取る店の筆頭が那須飯店だった。

幹部と揉め、1年と経たずにその会社を去っても、しばらく何人かの社員とは交流があり、ナスハン談義もしたものだ。しかし、そんな下那須も2004年には閉店……。ところが、病気を理由に引退した那須飯店店主の、弟弟子に当たる人物が麻布十番に開いた店がその味をそっくり継承していた。それが「新香飯店」だ。

何年か前に某誌の取材で、麻布OBの衆院議員の柿沢未途さんにお声がけし、新香飯店にいらしてもらったことがある。「朝食も抜いて満を持して来ました!」と大張り切りの柿沢さんがオーダーしたのは、やはり肉定(900円)と、「酢をたっぷりかけて食べるのが好きだった」というあんかけ焼きそばの“硬い”。

「授業中でもたまにエスケープして通ってました。肉定は野菜の構成もライスの盛りもそのものズバリですね。硬焼きそばはスナックみたいなパリパリの食感がいいんですが、餡が沁みてくると、また旨くなる」と、いたくご満悦で「超感動」を連呼していた。ナスハン閉店の報を聞いて、もうこれらにありつけないと思っていたそうだ。

そして、「変わらない味に食欲まで高校生に戻っちゃいましたね」と笑う柿沢さんを見送り、ぼくと編集者はあらためてその2品を注文した次第。それらはぼくにとっても再会の味だった。元麻布の職場の仲間とは一人を除き、もう連絡を取っていない…。

今では麻布中高で理事会などがあると、新香飯店から出前を取るし、部活同窓会やクラス会では店を借り切って盛り上がる。学校公認の飯屋がある。それが麻布という学校の懐の深さなのだ。

【学校データ】
麻布中学校・麻布高等学校
男子校/創立:1895年
住所:東京都港区元麻布2-3-29
「1970年前後の学園紛争から麻布の現代史が始まった」と、やはりOBである現校長も述懐する自由の学府。作家の北杜夫、吉行淳之介、山口瞳を生み、俳優の小沢昭一にフランキー堺は同級生…脱原発の城南信用金庫元理事長の吉原毅、加計学園問題で安部政権に牙を剥いた元文科省事務次官の前川喜平と政財官界にも気骨の人を出す。

【店データ】
新香飯店
住所:東京都港区麻布十番3-7-13
営業時間:11:00~22:00
定休日:日曜
電話:03-3452-8051

文・写真/鈴木隆祐
1966年生まれ。著述家。教育・ビジネスをフィールドに『名門中学 最高の授業』『全国創業者列伝』ほか著書多数。食べ歩きはライフワークで、『東京B級グルメ放浪記』『愛しの街場中華』『東京実用食堂』などの著書がある。近著に『名門高校 青春グルメ』がある。

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