■5:喫茶葦島(あしじま)京都市下京区
――注文を受けてからブレンドして、3分以内に抽出
三条河原町のビルの5階、エレベーターの扉が開くと、和紙の障子越しにこぼれるやわらかい明かりに包まれる静謐な空間が広がる。6年前に開店した『喫茶葦島』は、つい長居したくなる居心地のよさを感じる喫茶店である。
カウンター席に陣取れば、店主の佐々木晨人さん(45歳)がコーヒーを淹れる姿を眼前にできる。「葦島ブレンド」はコロンビアやブラジルなど5種類の豆をブレンド。注文を受けると、豆を15gに計量混合。抽出はペーパードリップで、3分以内に行なう。
「3分を超えると理想的な味が出せません。豆を蒸らした最初の液は雑味や油分が含まれているので捨てます」(佐々木さん)
そしてドリップ用のポットを右手で、左手でと持ち替える。湯を注ぐ方向を変えることで均等に浸透を促すという。一連の流れるような所作はまるで日本茶の点前を見ているようで、心が落ち着く。供されたブレンドの味はしっかりとコクがあり、自家製のチーズケーキとも好相性だ。
コーヒー好きが高じて起業した佐々木さん。店内には彫刻家・徳持耕一郎さんの鉄筋彫刻を置き、独自の世界観を築き上げている。
【喫茶葦島】
京都市中京区三条通河原町東入大黒町37 文明堂ビル5階
電話:075・241・2210
営業時間:14時~21時、土曜・日曜・祝日は12時~
定休日:月曜(祝日の場合は営業、翌日休み)
21席。カード不可。
https://ashijimablog.com/
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