新生活の準備や大型連休も終わり、身体に疲れを感じるこの季節、「春眠暁を覚えず」という言葉がありますが、皆さん良い睡眠ができているでしょうか?
実は健康づくりのための睡眠の重要性が昨今見直されています。最近でも今年の3月に厚生労働省から「健康づくりのための睡眠指針2014」が発表されて大きくニュースになりました。
さて、このように今、注目が集まっている睡眠ですが、眠れない時、睡眠にトラブルのある時は睡眠薬を飲まれる方も多いのではないでしょうか? 漢方・薬膳の総合ポータルサイト「漢方デスク」のアンケートでは、「睡眠薬になんらかの関心がある人」は27%にとどまり、それ以外の人は「薬に頼りたくない」「不安がある」というアンケート結果でした。また、実際に現在飲んでいる人も「起きたあとフラフラしてしまう」等の不安を感じていらっしゃる旨の回答が目立ちました。
睡眠薬に頼らない良い睡眠は、漢方でできないものでしょうか? そもそも、漢方医学では睡眠のトラブルをどのようにとらえているのでしょうか? 慶應義塾大学教授の渡辺先生に聞いてみました。
「漢方医学では、どのように眠れないか、という不眠の症状そのものに加えて、様々な他の症状との組み合わせからタイプ分けを行ない、最適な治療法を考えます。不眠の方によくあるタイプとしては、ストレスをうけて気分が塞いだり喉が詰まった感じがするような気うつ・気滞証(きうつきたいしょう)、栄養が身体の隅々まで行き渡らず皮膚や爪・髪の毛の状態が優れない血虚証(けっきょしょう)、さらに足腰の痛みやしびれ、夜中のトイレの回数が多いような下焦の虚証(げしょうのきょしょう)が代表的です。今回は、特に下焦の虚証について注目してみましょう」
やはり不眠にもいろいろなタイプがあるのですね。私もちょうど最近足腰の痛みが気になっているところでした。その「下焦の虚証(げしょうのきょしょう)」での睡眠のトラブルにはどのような養生が適当なのでしょうか? 宗形先生が答えてくれました。