旅人 栗原心平さん(料理家)
1978年、静岡県下田市生まれ。料理家 栗原はるみを母に持ち、幼いときから得意だった料理の腕を生かし、料理の道に。全国の産地や生産者を訪れ、さまざまな食材やお酒をヒントにごはんのおかずやおつまみレシピを提案。テレビ出演、雑誌連載、著書多数。

八丈島酒造|島最古の蔵で、若き4代目が奮闘する

左から3年熟成の芋焼酎『江戸酎(えどちゅう)』25度2350円、麦焼酎『一本釣り』25度1250円、芋と麦のブレンド『島流し』35度2550円と『八重椿』25度1250円。すべて720mL。

日頃から本格焼酎のソーダ割りを愛飲する料理家の栗原心平さん。東京都伊豆諸島で造られる本格焼酎が昨年、地理的表示〈GI(※産地ならではの特性が確立されていると国が指定し、保護されるもの。)〉に指定されたこともあり、東京の島酒への関心が高いという。

「島嶼(とうしょ)部のなかでも古くから続く、酒造りをこの目で見たい」と、八丈島へと心平さんが旅立つ。

八丈島での焼酎造りは幕末に遡ぼる。古来、ここは流刑の島。薩摩藩の御用商人で、密貿易の罪で流された丹宗庄右衛門が故郷から醸造機器を取り寄せ、芋での焼酎製造を島民に伝えた。それが脈々と続き、今は「東京島酒」と称されている。

島中のさつまいもを集める

八丈島は米の栽培が難しく、麦などを食用としていた。

「それが麦麴を用いての酒造りにつながります」と、創業110年を迎える八丈島酒造の4代目、奥山武宰士(おくやま・むさし)さんが教えてくれる。父・清満さんとふたりで4つの銘柄を仕込むが、なかでも『江戸酎』への思いは熱い。

「島では芋の収穫量が少ないため、自家栽培も含め、品種を問わず島の芋を集め、それらを合わせて造り熟成させています」

プロのサッカー選手として国内外で活躍し2020年に蔵に入った武宰士さん。「島外の酒場で自分が造った酒に出会い、そこで飲むのが楽しい」と顔をほころばせる。
昨年8月に蔵の隣に『蔵元の宿「八重椿」』を開業。1日5組限定で1名9900円〜(素泊まり。部屋のタイプ、時期により異なる)。板張りに琉球畳の小上がりを備え、ゆったりと寛げる。
試飲場があり、宿泊者は1時間、無料で利用可。心平さんも各種ロックで味わった。

八丈島酒造

東京都八丈島八丈町大賀郷1576
電話:04996・2・2855
蔵見学は事前に要予約。

取材・文/山﨑真由子 撮影/寺澤太郎

サライ2025年7月号大特集は『夏に沁み入る本格「焼酎」』

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2025年
10月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店