
デッキで食事ができるレストランもある。天気が良ければ朝食や昼食をデッキで楽しむ乗船客でにぎわう。
米国ロイヤル・カリビアンが所有するアジア最大のクルーズ船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」による、上海~神戸周遊の旅。高級ホテルのような船内に圧倒されつつ、その魅力をさらにお届けする。(記事<その1>を読む)。
クルーズの楽しみのひとつは食事だ。クァンタム・オブ・ザ・シーズには、気軽に味わえる軽食のスタンドから、アメリカン・グリル料理や地中海料理、アジア料理などをビュッフェスタイルで楽しめるレストラン、フルコースを満喫できる上質な料理店まで、ジャンル別に全19店も用意されている。中には世界的に有名なシェフが料理を手がける店もある。
レストランは毎食ごと自由に選ぶことができ、人気のレストランは予約も受け付ける。また、店舗によってはドレスコードが設けられているが、あえて着飾って特別な時間を過ごすのもクルーズの楽しみ方のひとつ。
船内での飲食は基本的にクルーズ費用に含まれている(一部の料理とアルコール類は除く)。スペシャリティレストランはカバーチャージ(20ドル〜85ドル)が別途必要だが、それを支払ってでも味わう価値のある料理が提供される。
ここで特に印象に残った3店を紹介しよう。
■1:チョップス・グリル
いかにもアメリカ船会社のレストランらしい、ステーキハウス。店内は落ち着いた雰囲気。テーブルを担当するスタッフは英語だが、英語が苦手な筆者にもわかるよう、ゆっくりと話してくれる。
人気のフィレステーキは柔らかくジューシーで、特製ソースも味わい深い。ステーキはやや大きめだったが、しっかりと完食。カバーチャージ39ドル。

『チョップス・グリル』はロイヤル・カリビアンが有するクルーズ船の中でも最上クラスのレストランとして人気の高い。要予約。

上質の牛肉を使用し、赤身と脂の旨みが見事にマッチしたステーキを堪能できる。
■2:ジェイミーズ・イタリアン
英国で国民的な人気を誇るシェフ、ジェイミー・オリバーが手がけるイタリアンレストラン。カジュアルな雰囲気だが、料理の盛りつけなどにも工夫がなされており、見た目にも美しい。デザートのレベルも高かった。
ファミリーや友人たちとのパーティーにも適している。カバーチャージ25ドル。

店内はカジュアルな雰囲気で、気後れすることなく利用できるイタリア料理のレストラン。オーナーのジェイミー・オリバーは英国の学校の給食に革命をもたらしたことで知られる。ジェイミーのドキュメンタリー番組が日本でも放送されたこともあり、日本人のファンも多い。

料理を木のプレートに乗せてられて登場。独創的なメニューだ。
■3:ソラリウム・ビストロ
朝食と昼食はヘルシーな料理が中心のカジュアルレストラン。夜は鍋料理コースがあり、船上レストランとしては非常に珍しく、テーブル上で火を使って鍋を温める。熱々の料理を食べられるうえに、日本人好みの味付けが嬉しい。
野菜類や麺類などはビュッフェスタイル。場所は船首方向にあり、時間により夕景を眺めながら食事を楽しむことができる。カバーチャージ20ドル。

低カロリーな食材を使用したヘルシー料理が特徴。船首付近にあり眺めも素晴らしい。

鍋料理は好みの食材を好きなだけ盛ることができる。野菜が豊富なのがありがたい。

テーブルで鍋を温めて味わえるのも『ソラリウム・ビストロ』の魅力。
このほか、ロボットがシェーカーを振るカクテルバーや、ビールパブ、ワインバー、ラテン系のバーなど趣向を凝らしたバーがある。各種ワインやカクテルが楽しめるスクーナーバーにはピアノが配され、生演奏も楽しめる。
筆者も一軒のバーに立ち寄ってみた。ソファーに腰を下ろし、メニューを見ていると、聞き覚えのある曲の演奏が始まった。演奏者が日本の歌を披露してくれたのである。
ふと顔を上げると奏者はこちらを見て、軽く会釈をしてくれた。手厚いおもてなしは、少し緊張気味だった筆者の心を一気に和ませてくれた。

タブレットパソコンで注文をすると、ロボットのバーテンダーがカクテルを作る。無口だが、腕はいい。
次回(その3)は船内で満喫できる興奮の体験プログラムをご案内します!
取材・文/中澤雄二
問い合わせ先/ロイヤル・カリビアン
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