越後湯沢駅では「林道かまめし」の食券を自販機で買う
水上駅からは新潟県からやって来た電車に乗る。水上〜越後湯沢間は普通列車の運転が少なく夏場は1日5〜6往復(しかも2〜4両編成)になる、だからこの区間の乗り継ぎは計画的に行う必要がある。その昔は特急「とき」が疾走していた上越国境をE219系電車が進んでいく。この越後湯沢駅までの区間はループ線と長大トンネルで越えていく難所だ。途中の土合駅は新清水トンネル途中の地下70mにホームがあり、462段の階段で地上駅とつながっている。約30分の乗車で新潟県側のリゾート地、越後湯沢駅だ。この駅にも川岳軒という駅弁が存在する。いったん改札口を出たところに立ち食いそば屋があり、そこで駅弁を販売しているのだ。さてナニにしようか、いささか食べ過ぎのため、あっさりとソバも食べたかったが、ここでは「林道かまめし」1050円の食券を自販機で買った。はいよ、手渡されたお弁当はひもを引っ張る加熱式。コンコースの椅子で加熱中の様子を、アジアからやって来たカップルが近寄ってきて動画で撮影していた。うずらの卵を中心にレンコンやマイタケが炊き込みご飯に乗った「林道」らしい山の幸のかまめし。量がやや少なかったので助かった。また魚沼産コシヒカリを使っているらしいのだが、私には銀シャリでないとわからない。ともあれ蒸気を噴き出してアチアチになったかまめしはかなり香り高い、車内でやらなくてよかった。
【その2】へ続きます
文・写真/杉﨑行恭
乗り物ジャンルのフォトライターとして時刻表や旅行雑誌を中心に活動。『百駅停車』(新潮社)『絶滅危惧駅舎』(二見書房)『異形のステーション』(交通新聞社)など駅関連の著作多数。