文/編集部
かつて写真撮影といえば、旅行や式典など特別なイベント時に行うもの。重い機材を抱えて撮影し、フィルム現像には何日もかかり、いざ出来上がった写真は何枚もピンぼけして……というのが常でした。それが今では、デジカメやスマホで日常的に思い立ったらすぐにシャッターを押し、誰でも簡単に鮮明な写真が撮れる時代となっています。
写真撮影がより身近なものとなった現在、サライ世代のみなさんは、どのような写真ライフを送っているのでしょうか。
シニア世代に支持されている大人の生活誌『サライ』では、愛読者のみなさんに、「写真撮影の手段と目的」に関するアンケートを実施しました(『サライ』2017年3月号で実施)。今回はその結果をご紹介します(※N=176、回答者平均62.7歳)。
サライ読者に聞いた「写真撮影の頻度」は?
まずは、写真撮影の頻度について、回答結果をご覧ください。
およそ7割の方が「たまにする」と回答しており、「ほぼ毎日する」という方が1割近く。他方で、「ほとんどしない」という方は2割にとどまり、全体では実に8割が写真撮影を行っているという実態が明らかになりました。
「たまにする」というのがどれくらいの頻度なのかまでは、今回の調査では定かではありませんが、やはりデジカメやスマホの普及により、現在では、写真撮影がごく当たり前の行為となっているらしいことがうかがえますね。
サライ読者に聞いた「写真撮影時に使用する媒体」は?
先の質問で、「ほぼ毎日する」「たまにする」と回答された方に絞って、写真撮影時に使用する媒体についても尋ねました(N=137)。
ご覧の通り、「小型デジタルカメラ」と回答した方が圧倒的。「スマートフォン、タブレット」や「携帯電話」よりも撮影に特化した機材を使用される方が多いとのことです。
また、同じデジタル機器でも本格派の一丸レフタイプのもの、さらに渋いところでは昔懐かしの銀塩カメラを愛用されている方が少数ながら存在するなど、シニア世代ならではのアンケート結果となりました。
サライ読者に聞いた「写真撮影の目的や被写体」は?
では、写真撮影を「ほぼ毎日する」「たまにする」方たちは、どんなものをカメラに収めているのでしょうか。
昔も今も、旅先の情景は、色褪せない写真として残しておきたいもの。およそ半数の方が写真撮影の目的として「旅の記録」を挙げています。また、「社寺・城」や「紅葉」「桜」「鉄道」なども旅行と密接に関連する被写体です。
そして、「家族の記録」や、自身の何気ない「身辺記録」のため、そして「動植物」を撮影しているという人も多数。目に入れても痛くないお孫さんの成長、また、家族同然の存在であるペットや、趣味のガーデニングの記録のために撮影に勤しんでいる方も多いのかもしれませんね。
また、最近では自分が食べたものを撮影して、気軽にSNSに投稿する人が多いですが、今回のアンケートでは「料理」と回答された方はおよそ1割。
いずれにせよ、今この瞬間を切り取って写真として残しておけば、あとから見返したときに「そういえばあのときは……」とさまざまな思い出に浸ることができ、かけがえない財産となるのではないでしょうか。
フリーカメラマンの福田徳郎氏によれば、写真撮影は年齢を重ねるほど有意義なものになるのだそうです。使用する媒体や撮影する目的、被写体がより多様化しつつある今、シニアライフをより豊かなものにするためにも、気軽に写真撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか。
文/編集部