室蘭本線と石勝線が交差する追分は鉄道の町として発展してきた。夕張の炭鉱群から積み出した石炭列車はここから室蘭本線に入り室蘭駅へ向かった。追分駅周辺には鉄道に関するモニュメントや装飾がたくさんある。国鉄時代、最後まで現役の蒸気機関車が働き続けたのがこの街にあった追分機関区である。
駅構内をまたぐ歩道橋にはJR発足間もないころに作られたイベントよう特急車両、クリスタルエクスプレスを描いたボードがはめ込まれている。かなり精細に描かれているところに、鉄道と縁の深かった町を感じる。
歩道橋から眺めた駅構内と画面左がかつての追分機関区。奥の方には家の屋根も散見できるが、あの付近も蒸気機関車や貨車が大量にたむろしていた一帯である。
駅付近にはD51型蒸気機関車が保存され、長年にわたり国鉄OBたちがメンテナンスを繰り返してきた。管理の都合で公開される日は限定されていたが、2018年に町内にできる道の駅への移設が決まり、いつでも見学できるようになる。普段は建物の中に置かれるが、日中は外にお披露目もするという。稼働状態で保存ができるのは元国鉄マンたちによるメンテナンスのたまものだ。
追分~新夕張はかつての夕張線。しかし石勝線に飲み込まれてしまい、この区間は特急列車用の高規格な線路になっている。特急列車や長い貨物列車がすれ違えるよう、ところどころに信号所が配置されている。前後の「トンネル」はポイントが雪で埋もれないためのスノーシェッド。雪国ならではの設備である。
車内も雪国ならではの設備がある。東北から北海道にかけて存在したのがこの「二重窓」。外気を遮断するための設備である。近年の車両は窓を固定し、ガラスの間にガスを充填したペアガラスが増えてきたため、二重窓も徐々にその姿を消しつつある。
川端駅で見かけた旧型客車。かつて、C62-3号機による「SLニセコ」号で活躍した車両だ。
付近のレジャー施設の休憩用に置かれたものだが、現在は廻りが草生している。数年前まで「引き取り手がいれば無償で譲渡する」という話もあったようだが、短い停車時間ではその真偽を確かめることはできなかった。
15時55分、列車は新夕張駅に到着。ここからは北に進路をとり夕張駅に向かう。