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旅行

ベネチア発の地中海クルーズ、寄港する街々の特徴と楽しみ方

文・写真/バレンタ愛(元オーストリア在住、現カナダ在住ライター)

「地中海」と聞くと、フランスやスペインなどのイメージが強いかも知れないが、実はトルコやイスラエル、アフリカ北部まで面していて、その海域はとても広い。沿岸には世界中から観光客が集まる人気の都市も多い為、一度にたくさんの魅力的な都市に立ち寄れるクルーズ旅行をするにも人気のエリアだ。

そんな地中海の旅、今回は世界遺産の街イタリア・ベネチア発のクルーズにスポットを当てて、寄港する街々の特徴と楽しみ方をご紹介しよう。

ベネチアの港に停泊するクルーズ船

ベネチア発のクルーズとしては、アドリア海~エーゲ海を回るコース、国でいうとイタリア、ギリシャ、クロアチアの3カ国の沿岸部の都市を回るものが多く、1週間前後のクルーズが人気だ。イタリア、ベネチアの港を出発し、イタリアのバーリ、ブリンディジ、ギリシャのアテネ、サントリーニ、ミコノス、カタコロン(オリンピア)、クロアチアのドブロクニク、スプリットなど3カ国を周遊する。

コースによって立ち寄る都市の組み合わせや順番は異なるが、主な寄港地を国ごとに見て行こう。

イタリア

まずはクルーズの出発地、イタリア・ベネチア。言わずとも知れたイタリアの世界遺産、「水の都」として世界中から観光客をあつめている美しい街だ。何度訪れてもまた行きたくなる魅力的な街で、クルーズの前後に時間をとってゆっくり観光したい。

またクルーズ船の中からも、ベネチアの街の素晴らしい眺めが得られる。

クルーズ船から見るベネチアの街

年々、ジューデッカ運河への大型クルーズ船の乗り入れ制限が厳しくなっていて、クルーズ船からベネチアの街を見る事は難しくなりつつあるが、ベネチアの街と住人を守る為なら仕方がないのかもしれない。まだクルーズ船の乗り入れが完全に禁止された訳ではないので、船から街が見られるかどうかは、予約する時に確認するといいだろう。

ベネチアからクロアチアやギリシャに南下する途中によく立ち寄る街がバーリ(Bari)である。11~13世紀に建設されたサン・二コラ教会やバーリ城、大聖堂などがある旧市街をゆっくり散歩したい。

バーリのサン・ニコラ聖堂

バーリの代わりにブリンディジ(Brindisi)に寄港するコースもある。こちらも美しい港町で、ズヴェーヴォ城、アッピア街道の円柱などが観光スポットだ。バーリもブリンディジも、どちらもクルーズ以外ではなかなか行かない小さな港町だが、歴史も見どころもあり、イタリアの奥深い魅力を感じることが出来る。

ギリシャ

アテネ、パルテノン神殿 (C) By LennieZ, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=834867

古代から続く歴史と数多くの世界遺産を誇るギリシャには数多くの寄港地がある。

まずは首都のアテネでは、パルテノン神殿もあるアクロポリスの丘など古代ギリシャの遺跡を見て回りたい。クルーズ船が寄稿するアテネの港ピレウスからは近郊の島に行く高速船も出ているので、離島好きな方はエイギナ島(片道約40分)やイドラ島(片道約1時間10分)などに行ってみるのもいい。

そしてほとんどのクルーズコースに入っているオリンピアは、古代オリンピックが開催された場所で、現在も数多くの遺跡が残り世界遺産になっている。クルーズ船が着くのはカタコロン港で、オリンピア遺跡までは車で30分ほどかかる。何人かでまとまってタクシーを利用するのもいいが、確実なのはクルーズ会社が手配するバスで行く方法だ。

オリンピアには、今でもオリンピックの聖火を採火しているヘラ神殿や、古代オリンピックが開催された競技場跡がある。港から少し距離はあるが、改めて来ようと思ったらもっと大変なので、クルーズで寄港する機会にぜひ訪れておきたい場所だ。

オリンピアのヘラ神殿

その他のギリシャの停泊地として定番なのは、サントリーニ、ミコノス、コルフの3つの島だ。

サントリーニ島は青い屋根の白い建物が絶壁に立ち並ぶ有名なイアの街がある。港が小さい為、大きなクルーズ船は沖に停泊し、小さなボートで島まで渡るのだが、難関は港から崖の上にあるフィラの街まで上がる600段近くの階段。時間と体力に余裕がない場合はバスやケーブルカー、そしてロバなどを利用する事をお勧めする(ただし下りのロバは結構怖いので、あまりお勧めしない)。

フィラからイアの街の間は、ローカルバスで約30分。船に戻る時に港に降りるケーブルカーなども待つことがある為、滞在時間をよく確認し、船内で事前に申し込めるクルーズ会社主催のツアーなども利用して、時間を有効的に使いたい。

イアの街からの眺め

ミコノス島で立ち寄るのは、素敵な白い街、ミコノスタウンだ。歩いて回れるサイズの街で、ミコノス島のシンボルともなっている風車や、数々のレストランが海沿いにある。お店やレストランが立ち並ぶ細い路地をプラプラと散歩したい。

夜のミコノスタウン

コルフ島は比較的大きな島だ。港から旧市街まではクルーズ会社がバスを用意する事が多い。お店やレストラン、そして、たくさんの教会が立ち並ぶ旧市街地を歩いて回るのが楽しい島だ。

コルフ島の旧市街地の様子

クロアチア

クロアチアでの主な寄港地は、ドブロヴニクやスプリットだ。どちらもアドリア海に面した世界遺産の都市で、城壁で囲まれた旧市街が残っている。

ドブロヴニクでは、港から旧市街までクルーズ会社が用意するバスで移動する。ドブロヴニク旧市街の絶景ポイントは、1周約2キロの旧市街を囲む城壁の上と、旧市街から徒歩15分ほどの所にあるスルジ山の山頂だ。山頂へはケーブルカーやタクシーを利用すれば簡単に登れるが、混んでいる時もあるので時間には注意したい。

ドブロクニクの旧市街

スプリットの旧市街地は、港から歩いてすぐの場所にある。旧市街の半分近くはディオクレティアヌス宮殿で、その中の大聖堂に隣接する鐘楼に登ると60mの高さから街を一望できる。

両都市とも絶景ポイントからの景色は素晴らしいが、旧市街地の中もお店や見どころがたくさんあり、歩いているだけでも充分楽しめる。限られた滞在時間内で何をしたいか事前に調べて、計画を立てておきたい寄港地だ。

クルーズ船内

さて、クルーズ旅行のいいところは、一回船内に入ったら、面倒な荷物の運搬や片付けをしなくても、様々な場所を訪れることができることだ。しかも主な移動は夜間なので、目が覚めたら違う都市に到着しているのも嬉しい。

もちろん昼間の移動もあるが、船内はシアターにライブミュージック、プール、ジム、スパ、マッサージ、ジョギングコース、スナックタイムと充実しているので飽きることはない。広い船内の探検、アクティビティーに参加、運動して、食事も楽しんで……と思ったら、忙しいくらいだ。

移動中に船内も満喫したと思ったら、船内サービス詳細と旅行スケジュールを事前に確認して計画を立てておこう。

クルーズ船の様子

地中海クルーズのベストシーズンと注意点など

地中海クルーズのベストシーズンは春~秋。秋以降の日程では料金はお得になる場合もあるが、お店の多くが閉まっていたりする都市もある事を頭に入れておいた方が良い。

観光地の気温が高くても船内は冷房が効いていたり、朝晩は冷えたりする時もあるので、温度の変化に対応できる服装を用意しておくといいだろう。また船内にはドクターがいるが、基本的な薬などは日本から持っていくと安心だ。

それぞれの寄港地での滞在時間は限られている。効率的に時間を使う為には、事前に観光スポットや移動情報を調べておくと良いだろう。また港から街までバスなどを使って移動の場合はくれぐれも時間に遅れないように気を付けよう。ちなみに寄港地では必ずしも船から降りる必要はない。人が少ない時にゆっくり船内サービスを楽しむ事も可能だ。

ここに紹介した以外にも、モンテネグロのコトル(Kotor)やアルベニアのサランダ(Sarande)などに立ち寄ったり、イタリアのローマやクロアチアのドブロクニクを終着地とするクルーズもある。クロアチアやギリシャなど1つの国を重点的に回るクルーズもあり、期間も3泊4日~2週間以上とクルーズコースや寄港地の組み合わせは実に様々。

自ら長距離を移動することなく、のんびり気軽に複数の都市を訪れる事ができるクルーズ旅行を、ぜひ楽しんでいただきたいものだ。

文・写真/バレンタ愛
12年間のウィーン生活後、2016年よりカナダ・オタワ在住。長年のヨーロッパ生活とトラベルコンサルタントなどの経験を活かし、2007年よりフォトライターとしても幅広い分野において多数の媒体に執筆、寄稿、写真提供。海外書き人クラブ会員。

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