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古い家と蔵が居並ぶ栃木市「嘉右衛門町」を逍遙する【日本の古い街並み紀行 第3回】

写真・文/石津祐介

中山道の倉賀野宿から13番目の宿場町として栄えた栃木宿

栃木県の南部、埼玉県と群馬県の県境に位置する栃木市は、江戸時代には、日光東照宮へ幣帛(へいはく)を奉納する勅使が通った脇街道の「日光例幣使街道(にっこうれいへいしかいどう)」の宿場町として栄えた街だ。往時は「栃木宿」と称した。

市内を流れる巴波川(うずまがわ)は舟運が盛んで、栃木河岸は江戸との交易物資の集散地として大いに栄えた。

巴波川沿いには重厚な蔵が並び、遊覧船からその風景を楽しむこともできる

川ぞいに建つ横山郷土館。明治に、銀行と麻問屋を営んでいた建物

栃木宿の北側に位置する嘉右衛門町(かえもんちょう)は、栃木県では初となる重要伝統的建造物群保存地区に選定されている町並みだ。

保存地区は、天正期(1573〜1592年)に新田開発され、その後発展した嘉右衛門新田村を起源としている。地区の西側には巴波川が流れ、地区の中央には旧例幣使街道が南北に通っており、その街道に沿って江戸時代末期から昭和初期にかけて建てられた商家や職人の町屋建築が軒を連ねている。

時代ごとの建築様式が見られる町並みが多様な景観を作り出していることから、2012年に重要伝統的建造物群保存地区として選定された。

日光例幣使街道に町屋が軒を連ねる嘉右衛門町

巴波川から見た嘉右衛門町の景観。川沿いには平柳河岸の船着場の面影を残す

1932(昭和7)年に建てられた洋風建築の舘野家

延焼を防ぐための石壁が見られる、天海(あまがい)家住宅は、1924(大正13)年に建てられた

江戸時代には畠山家の陣屋となっていた岡田家。現在は、岡田記念館として資料館となっている

巴波川に架かる嘉右衛門橋。1927(昭和2)年の竣工で、地区で最も古い橋

栃木を代表する大正建築、岡田家翁島別宅は隠居所として、1924(大正13)年に建てられた

店舗を兼ねた蔵、見世蔵が特徴の肥料商、平澤商事

街道を北に進むと、油伝味噌(あぶでんみそ)が見えてくる。ここは江戸の天明年間(1781~89)に油屋として開業し、江戸の末期より味噌の製造を始めた味噌屋だ。店舗の一角では、天然酵母の味噌を使った、豆腐、里芋、こんにゃくの田楽が楽しめる。

創業は天明年間、老舗の味噌屋油伝味噌(あぶでんみそ)

店舗の一角で、名物の味噌田楽をはじめコーヒー、ビールや地酒なども楽しめる

糀をふんだんに使った甘めの味噌の田楽が味わえる。田楽盛合わせは530円(税込)

その賑わいから小江戸と呼ばれた栃木宿。当時の宿場町の賑わいを想いながら、川沿いに残る重厚な蔵と、旧例幣使街道の昔ながらの町並みを散策してみてはどうだろうか。

【嘉右衛門町伝統的建造物群保存地区】
アクセス:JR両毛線・東武日光線で「栃木駅」下車。
車は東北自動車道、栃木インターより10分

【油伝味噌】
栃木県栃木市嘉右衛門町5-27
電話番号/0282-22-3251
営業時間/10:30~17:00(無休)

写真・文/石津祐介
ライター兼カメラマン。埼玉県飯能市で田舎暮らし中。航空機、野鳥、アウトドア、温泉などを中心に撮影、取材、執筆を行う。

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