取材・文/関屋淳子

富山県と県内13市町では、年に2回、体験型観光プログラム「大人の遊び、33の富山旅。」を展開しています。いま開催中のテーマは「Beautiful Life アート&クラフトスペシャル」。手作り体験を通して、新たな富山の魅力を感じられるプログラムが体験できます。

今回ご紹介するのは、錫の鋳物の制作体験と、マイぐい吞み作りです。その他の富山の知られざるスポットもたっぷりご紹介します。

鋳物メーカー本社で工場見学と鋳物製作体験

高岡銅器約400年の歴史のもと、世界が注目する鋳物メーカーが「能作」です。錫100%の曲がる器「KAGO」や真鍮製の風鈴などユニークなモノづくりで知られる「能作」の新社屋では、工場見学や鋳物づくり体験ができるほか、ショップやカフェも併設されていて、1か月の来場者が約1万人という、ちょっとした観光スポットとなっています。

社屋に入ってまず驚くのが、ホールの壁一面を埋め尽くすカラフルな木型。ホウノキで造られた木型は実際に生型(なまがた)鋳造で使われているもので、多くの木型を使い様々なものを作っていることが如実にわかります。

能作のホールに飾られた木型

能作の曲がる器「KAGO」

能作の工場見学(無料・要予約)では、型おこしから鋳造、ろくろ、仕上げなどの工程を辿ります。臨場感あふれる工場では若い職人さんが多く、エネルギーがみなぎります。子どもの頃の工場見学をきっかけに入社したという社員さんもいるとか。伝統産業がしっかり受け継がれていることがわかります。

身近な錫製品といえば日本酒のお燗用のちろりや酒器ですが、近年では錫の殺菌効果を利用した医療器具の分野にも進出しています。

作業風景を見学

こちらの体験工房では、富山県をかたどった錫のペーパーウェイトを製作します。原型にハートや星形、文字などのシールを貼り模様をつけ、次に木枠に原型を置き、砂を詰め、しっかり押し固め原型を外します。そこに熱した錫を流し込み冷えたら水で洗い、やすりで磨きます。

所要時間は30分ほどで、オンリーワンのペーパーウェイトが完成。他にも体験メニューとしては、ぐい吞みや小鉢づくりなどもできます(通年実施・要予約)。

型取りの作業

指導の方による高温の錫を流し込む作業

砂を落とし型抜き

完成品

能作のショップには、限定品から定番まで品揃えが豊富で、職人さん着用のお洒落なT-シャツや、老舗和菓子店とコラボしたオリジナルの和菓子などもありました。

ランチはカフェ「IMONO KITCHEN」で。錫のグラスでいただく冷水はまろやかで美味しく、野菜たっぷりのプレートはもちろん冷やした錫の器で供されます。工場見学にクラフト体験、そして美味しいランチと、能作の新社屋は、半日いても飽きない施設です。新たな観光の在り方を感じさせます。

ショップのディスプレイ

山盛りのサラダとカレーのセット

【能作】
富山県高岡市オフィスパーク8-1
電話:0766-63-5080
※オリジナルペーパーウェイト製作は1000円、2018年5月31日まで要予約

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