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真田信之ゆかりの地!美しき河岸段丘の街・沼田(群馬県)の見どころ

取材・文/関屋淳子

群馬県北部に位置する沼田市は、美しい自然と温泉、四季折々のフルーツに恵まれる街。そして今から400余年前には、真田氏の居城であった五層の天守閣を持つ沼田城が聳えていました。さらにNHKの人気番組「ブラタモリ」で紹介され、一躍注目を集めた河岸段丘もあります。

今回は、地味なような奥深い沼田市の魅力をご紹介します。

*  *  *

沼田散歩のはじめは、真田信之・小松姫が暮らした沼田城の跡、沼田城址公園へ。真田信之は天正18年(1590)、沼田領2万7000石の初代沼田藩主となりました。父の真田昌幸と弟の真田信繁(幸村)と敵味方となり、徳川家康のもとで家名を守り抜こうとしたことはあまりにも有名です。

公園は谷川連峰や三峰山などを望み、かつては五層の天守閣が天に向かっていたといいます。現在は往時の記憶を留める石垣や、復元された鐘楼などがあり、西櫓台の石垣の上には樹齢400年以上というエドヒガンが枝を広げます。

今年は桜の開花が早く、訪れた時はまさに満開でした。この桜を信之や小松姫も楽しんだのかと思うと感慨深いものがありますね。

沼田城址公園に咲く御殿桜

河岸段丘といえば、教科書に出てくる言葉ですが、実際はどんなものでしょう? そんな疑問を吹き飛ばしてくれるのが、沼田の美しい河岸段丘です。

河岸段丘とは、平らな台地(段丘面)と急な崖(段丘崖)が連続してできる階段のような地形。沼田城も河岸段丘の台地上に位置します。地殻変動などでおよそ10万年の歳月をかけて造られた自然の造形。沼田の河岸段丘は片品川沿いに広がり、約15k㎡、東京ドーム約300個分の面積で7段あり、それがくっきりと分かるのです。NHKの番組「ブラタモリ」で訪れたタモリさんも絶賛したほどです。

取材時はまだ街中に雪が残っていて、白い台地部分と崖の部分がよくわかりました。国道120号沿いには、河岸段丘を眺めながら食事ができるお店もあり、雨乞山と道の駅白沢の望郷の湯からは、そのスケールがわかる眺めが楽しめます。

河岸段丘

沼田市の観光ポイントで見逃せないのが、「吹割(ふきわれ)の滝」です。高さ7m、幅30m余にも及ぶ滝で、東洋のナイアガラとも呼ばれています。片品川の清流が岩質のやわらかいところを侵食し、多数の割れ目が生まれて、まるで巨大な岩が吹き割れているように見えるところから名付けられました。

春の新緑の時期は雪解け水で飛沫も豪快。遊歩道や観瀑台から清々しい滝を満喫しましょう。

吹割の滝

第一観瀑台から

次は沼田のグルメのご紹介。平成26年に発足した「上州沼田とんかつ街道」。食で地域おこしをしたいという国道120号沿いの10店舗が、肉厚でボリュームたっぷりの様々なとんかつを提供しています。

そのひとつ「とんかつ金重」で、地元奥利根産のもち豚や、超熟尾瀬ドリームポークをいただきました。もち豚はすっきりした脂ときめ細かい肉質が特徴、特別熟成庫で約5週間熟成させた超熟尾瀬ドリームポークは香りが強く濃厚な旨みです。いずれも綿実油でじっくり揚げて仕上げています。

超熟尾瀬ドリームポークのとんかつ

また地元の高校生が考案したという特産の枝豆がたっぷり入った「えだまメンチ」を。じつにジューシーで、枝豆の食感がアクセントになっていました。

えだまメンチ

【とんかつ金重】
群馬県沼田市白沢町高平26-8 
電話:0278-20-9116

次は日本酒の蔵元「大利根酒造」へ。ここは「利根沼田酒造ツーリズム」のひとつで、沼田市や隣接する川場村などにある日本酒蔵4社、ビールメーカー2社、ワイナリー1社が協力し、地域の文化発信として7蔵を巡るツーリズムを行なっています。

大利根酒造は土地に根付いた酒造りを行ない、約200年前の露天掘りの井戸から湧く良質の地下水で酒を醸しています。銘柄は「左大臣」。3日前までの予約でご当主が蔵内を案内してくれます。

試飲は限定酒をぜひ。群馬県産酒造好適米「あさひの夢」を88%に精米し、低温発酵させた「左大臣・純米酒・米(こめ)」や、コシヒカリを使った純米生にごり酒など、一癖も二癖もある酒が揃っています。

大利根酒造の日本酒勢揃い

【大利根酒造】
群馬県沼田市白沢町高平1306-2 
電話:0278-53-2334

最後はデザートといきましょう。沼田市は日中の寒暖の差が大きいことから、果実栽培が盛んです。イチゴ、サクランボ、ブルーベリー、ぶどう、リンゴ…。フルーツ狩りが楽しめるのも魅力です。

訪ねたのは年間を通してフルーツが溢れる「原田農園」。6月上旬まではイチゴ狩りです。イチゴの品種はやよいひめで、酸味が少なく程よい甘みがあります。大粒のものを選んで口に運べば、ほっと癒されるようです。原田農園では食事処やフルーツを使ったスイーツや群馬県の特産品などおみやげ物も充実。ぜひ立ち寄ってみてください。

酸味が少なく食べやすいやよいひめ

【原田農園】
群馬県沼田市横塚町1294 
電話:0278-22-3991

以上、今回は群馬県沼田市の見どころをご紹介しました。東京から新幹線と在来線を使い約100分の距離にある沼田市。ふらりと出かけるのもよし、老神温泉などに宿泊しゆっくり街歩きを楽しむのもよし。意外と近い穴場の観光地です。

取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。

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