新着記事

五木寛之 五木寛之氏講演会「人生百年をどう生きるか」のお知らせ[PR] 自分の足についてよく知りましょう(計測編) 自分の足についてよく知りましょう(計測編)【快適に過ごせる靴との出会い vol.4】 獣医師とコミュニケーションをとって納得できる検査を。 獣医さんが教えるよりよい「ペットの血液検査」を受けるコツ 肥満要注意 都道府県ランキング|第1位は岩手県 肥満要注意都道府県ランキング|あなたが住む都道府県は何位? リーガースブルク城 実在した「魔女狩り」の謎|岩山の上に建つキリスト教界で最強の古城・リーガースブルク城(オーストリア) 【ビジネスの極意】上司が部下の「やる気」に関わってはいけない理由 【ビジネスの極意】上司が部下の「やる気」に関わってはいけない理由 知っておきたい介護の基本 公的介護保険のしくみと利用できるサービス|知っておきたい介護の基本 ヒノキのぐい呑み|京都産ヒノキを厳選し職人が仕上げた香り高い酒器 うにの旨みと甘味を堪能「ヤマチュウ食品」の北海道産 粒うに【サライのお取り寄せ】 思わず涙ぐんでしまう懐かしのTVドラマ|面白かった80年代のTVドラマランキング 面白かった80年代のTVドラマランキング|第1位は、あの人気シリーズ!

サライ本誌最新号

ピックアップ記事

  1. 五木寛之
  2. 徳川園/名古屋市

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

旅行

【明治の鉄道 廃線跡を歩く】信越本線旧線|急勾配を克服した明治の鉄道跡を歩く

文・写真/杉﨑行恭(フォトライター)

現在、いちばん人気のある廃線遊歩道は旧信越本線横川駅から登っていく碓氷峠の『遊歩道アプトの道』だろう。

この碓氷峠区間は標高差553m、最大66.7パーミルという急勾配を克服するため、1893(明治26)年にラックレイルと機関車のギアを噛ませて進むアプト式軌条で開通した歴史的路線だ。しかしこの区間は26カ所もトンネルがある難所で、当初の蒸気機関車ではみずからの煙に悩まされることから1912(明治45)年に電化される。

やがて1963(昭和38)年に並行する新線が開通するまで、70年間も急勾配の輸送をアプト式は支えてきたのだ。そして長野オリンピック(1998年)を控えた1997(平成9)年、この信越本線横川~軽井沢間は長野新幹線(現北陸新幹線)開業に伴って全廃された。そして今では上り下り線と旧アプト線の3本の廃線が並ぶ峠になっている。

2012(平成24)年、この旧アプト線の南半分、横川〜熊ノ平間5.9kmmが『遊歩道アプトの道』として完成し、現在では橋脚やトンネルが重要文化財になっている。

今回は、そんな『アプトの道』終点の旧熊ノ平から、横川までの下り坂コースで歩いてみよう。

旧熊ノ平駅跡からスタート

熊ノ平駅は碓氷峠区間唯一の平坦地で、開業時には列車交換設備が設けられていたところだ。その後明治末には駅に昇格し、昭和になってふたたび信号所になった歴史がある。つまり信号所→駅→信号所と変遷し、いまでは変電所の廃墟と新旧の廃線敷が並ぶ山中の鉄道遺跡になっている。

小さなアーチ橋も

6号トンネルの穴

ここから第10号トンネルに入っていく、碓氷峠のトンネルは古くから横川からの通し番号で呼ばれているのだ。

横川方面に歩いているので鉄道では急勾配でも徒歩ではゆるやかな下り坂、なんとなく背中を押されるような感じで歩く。このあたりは長さ100m前後の小トンネルが4本連続する、それぞれトンネルの出入り口には切石やレンガで立派な坑門が築かれている。そして現れた6号トンネルは546mもあって、その中間では天井と側面の穴から外の明かりが差し込んでいた。

めがね橋(碓氷第三橋梁)

めがね橋の上

6号トンネルを出ると視界がひらけ大勢の観光客が集まっていた、深い谷をレンガ造りの鉄道橋で渡っていく。この橋こそ『遊歩道アプトの道』のシンボル、碓氷第3橋梁だ。

通称『めがね橋』と呼ばれる4連アーチ橋は1892(明治25)年に完成した全長91m、高さ31mの総レンガ造りの巨大なもの。200万8000個のレンガが使われたと看板に書かれていた。どうやって数えたんだろう。

5~3号トンネル

碓氷湖がみえる、手前が廃線道

快適な遊歩道が続く

それからトンネルを3本過ぎたところから右手に碓氷湖が見えてきた。これは1958(昭和33)年に建設された砂防ダムによってできた新しい湖だ。

その先、これもレンガ造りの碓氷第2橋梁をすぎると旧中仙道と交差して、全長187mの1号トンネルがある。周囲はひらけ、ようやく里に降りてきた感じだ。

そんなトンネルも今からみればかなり狭い。このため電化され、電気機関車が登場しても頭上に架線を通すことはできず、東京メトロ銀座線のように線路脇の第三軌条で給電していたという。

旧丸山変電所とトロッコ列車

やがて廃線跡の先に日帰り温泉敷設『峠の湯』が現れ、碓氷峠トロッコ列車線の『とうげのゆ駅』があった。これは旧信越本線を利用した遊覧トロッコで、3月から11月までの土曜休日に横川駅に隣接する『碓氷峠鉄道文化むら』までの2.6km間に運転される列車だ。

その脇の遊歩道を行くと赤レンガ造りの旧丸山変電所が明治の建物らしいクラシックな姿を見せる。碓氷峠電化の際に給電設備として設けられたもので、なかには変電設備とともにパワー不足を補うための蓄電池も並んでいたという。ちなみに当時は、この碓氷峠区間だけが電化され、この前後は蒸気機関車が牽引していた。

碓氷峠鉄道文化むらのEF63

熊ノ平から歩きはじめて約2時間で『碓氷鉄道文化むら』のEF63形電気機関車が見えてきた。ここでは碓氷峠専用機関車だったEF63の体験運転が行われていて、運転講習をパスした人が運転できるアトラクションがあるのだ。

『本務機関士』の腕章をつけた人に柵越しに声をかけると、なんと「僕は374回目の運転です」という。ちなみに49回以上の運転体験でこの腕章がもらえるのだそうだ。

横川駅

歩き始めた熊ノ平の標高は686m、横川駅や『碓氷峠鉄道文化むら』は388mだから298m下ったことになる。

この『遊歩道アプトの道』は基本的に横川駅起点から熊ノ平までの往復、通常では5時間あまりのコースタイムになる。また各トンネル内の照明も18時で消灯になる。手軽に楽しむには横川駅からタクシーで熊ノ平まで行って(約3000円)下りを歩く方法もいいだろう。

【今回のデータ】
熊ノ平信号所(1.2㎞)めがね橋(1.1km)碓氷湖(1.0km)とうげのゆ駅(1.0km)旧丸山変電所(1.6km)JR横川駅
※めがね橋駐車場、碓氷湖畔、峠の湯、横川駅にWCあり

文・写真/杉﨑行恭
乗り物ジャンルのフォトライターとして時刻表や旅行雑誌を中心に活動。『百駅停車』(新潮社)『絶滅危惧駅舎』(二見書房)『異形のステーション』『廃線駅舎を歩く』(交通新聞社)など駅関連の著作多数。


『廃線駅舎を歩く』
(杉﨑行恭著、定価1500円+税、交通新聞社)
http://shop.kotsu.co.jp/shopdetail/000000002109/

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. グライヒェンベルグ鉄道 二度の大戦と冷戦を見守った、国境近くのローカル線「グライヒェンベ…
  2. ハワイ楽園鉄道2 真珠湾の裏から発車する旧オアフ鉄道のトロッコ列車に乗る【ハワイ楽…
  3. ホノルルに残るオアフ鉄道のターミナル駅舎 ハワイ王国滅亡の物語と鉄道で島を支配したアメリカ【ハワイ楽園鉄道…
  4. 国の重要文化財に指定された「東洋初」の地下鉄車両1000形
  5. EUで最も傾斜のきつい標準軌鉄道「エルツベルク鉄道」(オーストリ…
PAGE TOP