南アフリカ共和国の行政首都プレトリアからケープタウンまで約1,600kmを、約27時間で駆け抜ける「ブルートレイン」は、世界最高ランクの設備を備えていることで有名な、アフリカ最高の豪華列車である。手厚いホスピタリティも評価の高い旅は、忘れられない感動を与えてくれることだろう。
世界中にその名を響かせる豪華列車「ブルートレイン」の歴史は、1946年にまで遡る。そして当時から、最新の設備と高級ホテルに匹敵するサービスによって、多くの観光客を魅了し続けてきた。
飛行機を利用すれば2時間ほどで行ける旅に、あえて列車で1泊2日時間を費やす贅沢な鉄道旅なのである。その分、移動時間を「ゆとりの時間」として楽しめる。
特筆すべきは、列車とは思えないほど重厚な客室、開放的で、車窓からの眺めをじっくりと楽しめるラウンジ、そして抜群のホスピタリティを備えたスタッフのおもてなし。温かな心遣いときめ細やかなサービスの根底にあるのは、「乗客に素晴らしい時間を車内で過ごしてほしい」という思いだ。それは、開業当時からブルートレインが愛され続ける理由のひとつでもある。
また、車内のキッチンで腕によりをかけて作られるフランス料理も、ブルートレインならではの楽しみ。南アフリカ最高峰のワイン農園からセレクトされたワインとともに、最上級の味わいを楽しめる。
もちろん、高級ホテルに匹敵する豪華な客室にも期待したい。
デラックススィートは、窓際に置かれているソファを、夜間にはベッドとして使用できる部屋。ほとんどがツインベッドだ。浴室はシャワーのみだが、一部の客室はダブルベッド、浴槽付きとなっている。
ラグジュアリースィートは、デラックススイートの客室より広めの部屋。窓際に置かれているソファは日中はリラックスできるスペースとして、夜間はベッドルームとして使用できる。浴室にはシャワー付きのバスタブもついているので、ゆったりとバスタイムを楽しむことも可能。さらにはブルーレイやDVDプレイヤーも用意されているので、贅沢な時間を過ごせる。
さて、27時間におよぶ汽車旅のスケジュールを確認してみよう。
出発駅となるプレトリア駅では、ブルートレイン乗客専用ラウンジでのチェックイン、ウェルカムドリンクのサービスを受けたのち、いざ乗車! 専属のバトラーが客室へ案内してくれる。 列車は8:00に出発する
10:30になったら、まずは早めの昼食を楽しみ、人心地ついたらダイニングカーでランチタイム。前菜、メイン、デザートをメニューから自由に選べるほか、おいしいワインも楽しめる。
やがて15:30にはラウンジへ移動してティータイム。用意された紅茶やコーヒー、スコーン、ケーキを、大きな窓いっぱいに広がる南アフリカの景色を楽しみながら味わう機会など、他にはないはずだ。
17:10には途中下車をし、ダイヤモンドラッシュに湧いた街キンバリーを観光。美しい街並みを眺めながら歩けば、適度な運動にもなるに違いない。
夜になると、列車内は昼間とは異なったムードある雰囲気に包まれる。フレンチのコースと、豊富に揃えられたワインとともに優雅なディナーを楽しもう。
さらに食後はラウンジへ移動し、軽くバータイムを。ソファに身を任せ、ウィスキーを楽しめば、極上の時間を楽しめるだろう。
さて、客室のベッドでよく眠ったあとは、数種類からメニューをチョイスできる朝食を。その後は、目的地となるケープタウン到着まで、思い思いの時間を過ごせる。
この豪華列車ブルートレインを存分に味わうツアーを企画した、阪急交通社の大塚龍一さんに、ブルートレインの魅力について聞いた。
「アフリカ大陸の雄大な自然を洗練された列車の車窓から楽しめるのはまたと無い体験です。ラウンジカーで南アフリカ産のおいしい赤ワインを飲みながら、地平線に沈む夕日の姿をご覧頂いたり、新鮮な食材を使ったおいしい食事を楽しんだりと、世界一の豪華列車と言われるブルートレインの優雅なひと時をこの機会に是非味わって頂きたいです」(大塚さん)
まさに大人のための極上の27時間。ブルートレインで行くアフリカの旅は、この上なく上質な旅となるだろう。
【ブルートレインツアーについてのお問い合わせ】
阪急交通社クリスタルハート
http://trapics.hankyu-travel.com/tyo/kaigai/africa/southern-africa/bluetrain/
電話/0570-08-3989
(ナビダイヤル月~金/09:30-17:30 土日祝/09:30-13:30)
取材・文/印南敦史