
富士山が世界文化遺産に登録されてから約10年。いまや日本のみならず世界中から愛される絶景スポットですが、温泉と一緒ならより贅沢なひと時が味わえます。まだ雪が残る富士山と青い空、新緑の美しい緑が作り出す絶景に見惚れながら、ゆったり温泉に浸かりたいものです。
そこで今回は『サライ.jp』に掲載された、温泉ソムリエや温泉入浴指導員の資格を持つ関屋淳子さんのコラム「魅惑の温泉案内」から、富士山の景色とともに楽しめる温泉5つをご紹介します。
温泉やお店の営業時間などのデータは変更になっている場合がありますので、ご確認のうえお出かけください。
■1:雄大な富士山を独り占めした気分が味わえる「御殿場高原温泉」

富士の東麓、静岡県御殿場市にある『御殿場高原 時の栖』は約9万8000坪という広大な敷地を有し、温泉、ホテル、レストラン、テニスコートなどがあり、大人から子供まで一日中楽しめるリゾート施設です。
温泉は2か所あり、そのひとつが18歳未満は利用できない『源泉 茶目(ちゃめ)湯殿』。大浴場と露天風呂を備え、さらに階段を上った先にある露天風呂「天空の湯」では、まるで富士山を独り占めするような眺望が楽しめます。
※『源泉 茶目湯殿』は2025年4月13日(日)に休止を予定していますが、男女合わせて14種類のお風呂が楽しめる『天然温泉 気楽坊』の露天風呂からも富士山を楽しめます。
御殿場高原温泉|富士山を独り占めできる露天風呂【魅惑の温泉案内 第35回】
■2:湖に映る逆さ富士まで楽しめる「富士河口湖温泉」

河口湖と富士山の雄姿を楽しみながら湯あみができるのが山梨県の富士河口湖温泉。カルシウムやナトリウムなどが多い塩化物泉で、疲労回復や神経痛などに効用があります。
裾野を広げる富士山が湖に映し出される「逆さ富士」を眺めながら湯船に身を預ければ、まさに極楽気分です。6月下旬には「河口湖ハーブフェスティバル」が開催され、紫に色づくラベンダーと富士山との競演はため息が出るほどの美しさです。
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■3:角度によって富士山の表情も変わる「河口湖温泉」

山梨県の河口湖温泉は、平成4年に開湯した比較的新しい温泉ですが、源泉が4本あり湯量も豊富、立ち寄り温泉施設もあります。泉質はカルシウム・ナトリウム‐硫酸塩・塩化物泉で、神経痛や筋肉痛の緩和、さらに飲泉では糖尿病などに効能があるといいます。
一周20kmの河口湖の湖畔に面する温泉旅館は眺望自慢の宿揃い。角度によって表情を変える富士山を楽しめます。
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■4:奈良時代に開かれ、江戸時代から観光地として栄えた「箱根温泉」

箱根温泉の開湯は奈良時代。江戸時代には幕府への献上湯となり、明治以降は福沢諭吉や地元有志らにより道路や鉄道が開かれ、観光地として不動の地位を築きました。東海道に沿って開湯され、箱根七湯として知られ、その後次々と温泉が開削され、現在は箱根二十湯といわれています。
その泉質は、無色透明の単純温泉や塩化物泉などの肌にやさしい泉質が多いのですが、二十湯のなかでも仙石原温泉はカルシウムやナトリウムなどの成分が濃厚な乳白色のお湯です。よく温まり、疲労回復に効果があります。
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■5:可憐なツツジと富士山の競演に見惚れる「芦ノ湖温泉」

湯ノ花沢からの引湯で生まれた、芦ノ湖畔に湧く芦ノ湖温泉。湖畔に佇む『小田急 山のホテル』には、芦ノ湖温泉唯一の自家源泉があります。平成18年に地下約1000mから掘り当てたもので、泉質はアルカリ性単純温泉。うっすらと黄色みを帯びた温泉はpH値8.6というなめらかなお湯で、美肌効果が期待できます。
5月になると、4万5000坪の庭園に約30種3000株のツツジが咲き誇ります。富士山を背景に咲く赤、紫、ピンク色などのツツジの絨毯は、まさに絶景としか言いようがありません。
芦ノ湖温泉|3000株のツツジと温泉に癒される【魅惑の温泉案内 第72回】
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疲れを癒やし、リラックスさせてくれる温泉。富士山と共に楽しめば、さらにその効果が高まりそうです。ぽかぽか陽気に誘われて、出かけてみてはいかがでしょう。
文/編集部
