社内恋愛の果てにバツイチになった9歳上の男性との交際
自分の意思を上手に表現できなかった絵里奈さんは友人も少なかったとのこと。自己アピールができないことは、就職活動にも深い影を落としたと振り返ります。
「友人は少ないけど一応いました。でも、その子たちとも学校でつながっていただけ。卒業後も続いているような子は一人もいません。
家はそこそこ裕福だったので、三流大学でも出してはもらえました。でも、その後の就職活動は希望したところは全滅でしたね。就職活動で自己PRがまったくうまくできなかったのです。自分の好きなところがまったく思いあたらなくて。今振り返れば、自尊心が私は低いのだと思いました。でも、当時はどこかに入らなければという思いだけで。会社からも拒否され続けたことで、ますます気持ちは沈んでいくばかりでした」
学校に出ていた求人は全滅だったことから、就職情報誌で見つけた企業の事務スタッフとして採用され、そこで今の旦那さまと出会います。
「なんとか就職にありつけて、仕事先ではそこそこ充実していました。仕事は伝票整理や、在庫チェックにその他雑務がありましたが、コツコツと作業をすることは嫌いじゃなかったですし、その会社は作業が早いとちゃんとほめてくれるところだったので。
主人は同じ会社の営業で、年齢は9つ上です。営業部署のリーダーみたいなポジションで、面倒見が良くてよく声をかけてもらっていて。何度か食事に誘われて、付き合うようになりました」
しかし、その社内恋愛が原因で絵里奈さんは精神的に不安定となり、仕事を退職することになります。
「私たちのことが社内で噂になったのです。主人はバツイチで前の奥さまも過去に職場で働いていた方。そんなこともあり、その噂は決していいことばかりじゃありませんでした。そこから人の目が極端に怖くなってしまって、仕事のミスも増えて、月曜日を迎えるのが苦痛で眠れなくなってしまったり。そんなことが続いた時にプロポーズを受けて、退職して主人と入籍しました」
結婚後は元嫁と比べられているという被害妄想に似た感情もあり。嫌なことばかりではないものの、素直に受け取ることができないままの10年間はどうだったのか……。【~その2~に続きます。】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。