夫の実家で消去されていた義兄の存在
付き合いだしてから1年後には都内で同棲をスタート。仕事が忙しくなったことが同棲のきっかけで、提案は美紀さんからでした。同棲して半年後には犬も飼い始めるなど、順調に2人暮らしは続いていきます。
「私の仕事での立場が少し上がって、お店の開店・閉店作業などもやらないといけなくなったので、千葉まで帰るのがしんどくなったんです。でも、そんなに給料がいいわけでもなかったから、都内に暮らすとなるとボロアパートになるわけで……。1人より2人のほうがお金が浮くなっていうのが同棲を始めた理由でした。そんな私の提案にも夫は喜んで承諾してくれました。
ペットは、何かの番組を見ていて欲しいねってことになって。たまたまペット可のマンションだったし、追加で敷金1か月がかかってしまったんですが、あの子が2人の関係を潤滑に運んでくれましたね」
そして2人は美紀さんが27歳の時に結婚。最初に美紀さんが感じたという違和感は、結婚の報告の時点であったと言います。
「彼の実家は沖縄で、挨拶に行った時から、なんとなく母親との距離感が近いなって思っていました。それに夫は次男なんですが、お兄さんの話は一切出てきませんでした。結婚式にも招待しないでいいの一点張りで、もしかしたら絶縁しているのかもしれないと思いました。でも、デリケートな部分だし、私と直接関係ないと思って、触れなかったんです。それが今の最大の後悔になりました。まさか次男で、沖縄に新居を建てられるとは思っていなかったから……」
結婚して2年後には沖縄へ引越し。不安な妊娠期間を沖縄で迎えることになり、しかも義母は「犬を捨てろ」と言い出して……。【~その2~に続きます。】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。