鈴木其一《朝顔図屏風》(六曲一双のうちの左隻)〔江戸時代・19世紀 アメリカ・メトロポリタン美術館所蔵〕東京会場のみの出品(全期間展示)

鈴木其一《朝顔図屏風》(六曲一双のうちの左隻)〔江戸時代・19世紀 アメリカ・メトロポリタン美術館所蔵〕東京会場のみの出品(全期間展示)

江戸時代後期の絵師、鈴木其一(すずき・きいつ、1796-1858)の大規模な展覧会が、東京ミッドタウンのサントリー美術館で開催されています。(~10月30日まで)

江戸時代初期の京都で俵屋宗達が創始した琳派は、尾形光琳により江戸時代絵画の中でも最も華麗な装飾様式として確立されました。光琳の約100年後、江戸の地で酒井抱一が京都の琳派よりさらに写実的で洗練された画風を築き、その様式はのちに「江戸琳派」と称されるようになりました。

その抱一の一番弟子が、鈴木其一です。抱一亡きあとの其一は、ダイナミックな構成や明快な色彩を多用する新たな様式を築きました。

本展は、国内外からかつてない規模で其一作品を集め、彼の生涯と画風の変遷を辿ります。

鈴木其一《水辺家鴨図屏風》(六曲一隻)〔江戸時代・19世紀 細見美術館蔵〕展示期間9月10日~10月3日

鈴木其一《水辺家鴨図屏風》(六曲一隻)〔江戸時代・19世紀 細見美術館蔵〕展示期間9月10日~10月3日

本展の見どころを、サントリー美術館学芸部長の石田佳也さんにうかがいました。

「最近注目が集まる琳派の絵師の中でも、まさに真打登場ともいうべき存在が鈴木其一です。

彼が描いた『朝顔図屏風』(メトロポリタン美術館所蔵)は、血のつながりはないまま受け継がれた琳派のスタイルが、幕末の江戸において咲かせた見事な花と言い得る作品。金地に青と緑が色彩の交響曲を奏でます。

他にも初期から晩年まで其一の代表作が勢ぞろいします。若冲や国芳にも通じる鮮烈なアートの魅力を、ぜひこの機会に確かめてみてください」

本展は姫路市立美術館(11月12日~12月25日)、細見美術館(2017年1月3日~2月19日)に巡回されます。お近くの方はお楽しみに。

サントリー美術館のサイトはこちら

【鈴木其一 江戸琳派の旗手】
■会期/2016年9月10日(土)~10月30日(日)会期中展示替えあり
■会場/サントリー美術館
■住所/東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
■電話番号/03・3479・8600
■料金/当日:一般1300円 大高生1000円 ※中学生以下無料、障がい者手帳所持者と介護者1名は無料、10月22日(土)は「六本木アートナイト割引」のため一般、大学生、高校生は一律500円
■開館時間/10時から18時まで、金・土曜日及び9月18日(日)・9月21日(水)・10月9日(日)は20時まで、10月22日は六本木アートナイトのため22時まで(いずれも入館は閉館30分前まで)
■休館日/火曜日
■アクセス/都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結、東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路で直結、東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩約3分

取材・文/池田充枝
1989年「サライ」の創刊時より歴史資料の調査や展覧会情報を中心にフリーランスで「サライ」の取材・執筆に携る。

 

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