日本を代表する漆器産地の山中(石川県)には、あらゆる漆芸の技術がある。漆の技といえば塗りをイメージする人も多いだろうが、器としての土台である木地にも精巧な技芸が受け継がれてきた。
数ある木地の技術の中でも特に難しいとされるのが、轆轤(ろくろ)の「ねじ挽き」だ。ふたつの木筒に雄と雌のねじ山を切って接合する方法である。
「材料の木はよく吟味し、まず燻しをかけながら強制乾燥します。乾いてもすぐに使わず、自然に湿気を吸わせたり風に当てたりして休ませます。収縮が落ち着いたところでねじを切るわけですが、木には繊維の方向と年輪があるため、ちょっと力加減を誤ると、ねじ山は一瞬で欠けてしまう。カンナも常に切れ味よく調えておく必要があります。このねじ切り技術を持つ職人は、山中にも何人もいません」
こう語るのは、浅田漆器工芸の浅田孝さん(66歳)。
木地職人の至芸ともいうべきねじ挽きによって作られたのが、この二段茶筒だ。
ふたつの茶筒をねじでひとつにつないだもので、緩みのない高い気密性が自慢。煎茶とほうじ茶、コーヒーと紅茶といったように、お気に入りのお茶を2種類常備できる。
商品名/二段茶筒「茶々 黒摺」
メーカー名/浅田漆器工芸
価 格(消費税8%込み)/17,280円