飲み過ぎた後に、二日酔いの朝に、体に嬉しい「玉子粥(がゆ)」。ごはんを煮て、かき玉子を加えて、塩で味を調える、あるいは醤油で味付けするという作り方が一般的ではないでしょうか。
しかし、江戸時代の粥は、玉子粥に限らず、そのものに味つけはせず、かつお出汁のつゆをかけて食べるのが一般的だったそうです。
今回、ご紹介するレシピは、江戸時代の料理本『素人庖丁』に収録されている「玉子粥」です。かつおだしつゆをかけ、わさび、しょうが、浅草のり、あさつきと4種類の薬味で味わいます。
では、材料と作り方をご紹介しましょう。
■「玉子粥」の作り方
◎材料
ご飯 茶碗1杯
水 200~400cc
玉子 1個
かつお出汁つゆ(濃いめ) 60cc
しょうが 適量
わさび 適量
浅草のり 適量
あさつき 適量
■まるで鯛茶漬け? 1杯で何度も美味しい玉子粥
まずは、かつお出汁つゆをかけてすすり、次にわさびと浅草のりで、またその次はしょうがとあさつきで、といった具合に、まるで鯛茶漬けのような趣向で、1杯でいろんな味が楽しめるのが、この江戸版の玉子粥です。
普段の玉子粥は味気なく病人食のようですが、これなら贅沢気分が味わえて満足度が高く、お酒の〆としてもピッタリです。
※『江戸料理読本』(著者・松下幸子/ちくま学芸文庫)
※分量や細かい作り方は原本に記載されていないため、筆者が作った方法でご紹介しています。
文/小野寺佑子
撮影/五十嵐美弥