シュルレアリスムの巨匠、サルバドール・ダリの大規模な展覧会が、京都市美術館で開催されています。
スペインのカタルーニャ地方に生まれたサルバドール・ダリ(1904‐89年)は、1929年に彗星のようにパリの美術界に登場し、シュルレアリスムを代表する画家として活躍します。その一方で映画や演劇、ファッションなどの異分野にも積極的に参画し、ウォルト・ディズニーやエルザ・スキャパレリらとコラボレーションを行い、著作も次々と発表してジャーナリズムやメディアにもさかんに登場しました。
本展は、芸術と芸術家のあり方を変革した現代美術の先駆者、ダリの世界を紹介する、日本では約10年ぶりの本格的な回顧展です。
本展の見どころを、京都市美術館・学芸員の後藤結美子さんにうかがいました。
「本展は、初期から晩年までのダリ作品を国内外から集めた、日本では過去最大規模の回顧展です。
スペインのガラ=サルバドール・ダリ財団と国立ソフィア王妃芸術センター、そしてアメリカのサルバドール・ダリ美術館という3つの世界有数のダリ・コレクションが、初めて一堂に会します。
絵画、オブジェ、ジュエリー、ファッション、舞台装飾、など多彩な分野を網羅した約200点を通して、印象派からキュビスムや未来派、シュルレアリスムへとあらゆるスタイルを熱心に吸収し、やがてダリ独自のスタイルを確立するまでの変遷をじっくりとご覧いただけます。
ダリと日本のかかわりとしては、広島・長崎の原爆投下に衝撃をうけて描かれた作品が出品されます。この作品を契機に、ダリは科学に関心をもち、宗教と科学の融合を願った作品を残すことになりました」
会期は9月4日まで。その後は、東京の国立新美術館に巡回(9月14日~12月12日)されます。
【ダリ展 Salvador Dalí】
■会期/2016年7月1日(金)~9月4日(日)
■会場/京都市美術館
■住所/京都市左京区岡崎円勝寺町124
■電話番号/050・5542・8600(ハローダイヤル)
■料金/一般1600(1400)円 大高生1100(900)円 中小生600(400)円 ( )内は20名以上の団体料金
■開館時間/9時から17時まで、8月11日・12日は19時まで(入館は閉館30分前まで)
■休館日/月曜日(ただし7月18日は開館)
■アクセス/JR・近鉄京都駅前市バスA1乗場から5番岩倉行き、D1乗場から100番銀閣寺行き、岡崎・東山・梅小路エクスプレスで清水寺・平安神宮行き(土・休日運行)でいずれも「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車
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