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帝王シナトラと女王エラが、ともに「最初の曲」に選んだ絶品バラード【ジャズを聴く技術 〜ジャズ「プロ・リスナー」への道14】

文/池上信次

第14回ジャズ・スタンダード必聴名曲(9)「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」

(2)エラ・フィッツジェラルド『エラ・シングス・ガーシュウィン』

エラ・フィッツジェラルド『エラ・シングス・ガーシュウィン』

今回はジョージ・ガーシュウィンの3曲目です。これまで、楽器演奏者御用達の「アイ・ガット・リズム」や、ブラック・ミュージック志向の「サマータイム」を紹介してきましたが、それはガーシュウィンの「一面」であって、今回紹介する「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」は、いわば「ど真ん中」。名コンビである作詞家の兄アイラと組んだ絶品バラードです。

1926年にブロードウェイ・ミュージカル『オー・ケイ(Oh, Kay!)』のために書かれた1曲

「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー(Someone To Watch Over Me)」は、1926年にブロードウェイ・ミュージカル『オー・ケイ(Oh, Kay!)』のために書かれた1曲です。これはガーシュウィンの37作目のミュージカルで、公演は全256回におよび、ガーシュウィンの最長記録となりました。ストーリーは当時の禁酒法下のニューヨークを舞台に、金に困ったイギリスの貴族とその妹ケイ(これがタイトルの由来)が酒の密輸をたくらみ……といった中で繰り広げられる恋愛ドラマ。主演はイギリス人のガートルード・ローレンス (1898〜1952)で、これはイギリス人女優が初めてブロードウェイで主演した作品としても知られます。ブロードウェイの翌年にはロンドンのウエストエンドでも公演され、ローレンスの歌唱やガーシュウィン自身のピアノ演奏のレコードもヒットしました。

このような大ヒット話題作とはいえ、ジャズで取り上げられるようになるには少々時間がかかっていたようです。40年代半ばに、リー・ワイリー(ヴォーカル)やフランク・シナトラ(ヴォーカル)が録音していますが、インストには目立つものはないようです。

歌詞の大意は、「会いたい人がいる。そしてその人が私を見守ってくれる人になってほしいと思う。彼はハンサムじゃないかもしれない。でも彼は私の心の開く鍵をもっている。誰か彼に伝えて。私を急いで追いかけて来てと。私を見守ってくれる人が必要なの」というものです。意中の人に思いを伝えたい女心ソングという感じです。このように、この曲は「アイ・ガット・リズム」や「サマータイム」とは異なり、いかにもブロードウェイ・ミュージカルらしいラヴ・ソングのバラードです。つまり当時のポップス的であり、「歌詞を歌って感情を伝える」タイプなので楽器演奏者には向いておらず、ヴォーカリストだけに好まれたとも見受けられます。

ところが50年代半ばに、急に録音が増えるのです。それもインストを含めて。突然スタンダード化したという印象を受けるほどですが、きっかけはわかりません。この曲の特徴のひとつは、テンポを上げると成り立たないといえるほど、「バラード」として完成しているところです。ガーシュウィンは、当初アップ・テンポの曲として作曲をしていたのですがうまくいまず、テンポを落としてバラードにして完成させたと伝えられています。それくらい「いじりにくい」曲なのですね。30年代のスイング・バンド中心の時代や、40年代のアドリブ・プレイ重視の時代には、こういったバラード、しかも「いじりにくい」曲はジャズマンの間では好まれなかった、ということかもしれません。

しかし、50年代半ばからは、とくにヴォーカリストでは「歌っていない人はいない」ほど、この曲は圧倒的な支持を集め、今日に至っています。即興重視のビバップ時代を経て、メロディでも勝負する時代が到来したから、「いじりにくい」=メロディが明確ということが逆に時代にマッチしたということでしょうか。

ちなみに、この曲は「やさしき伴侶を」「誰かが私を見つめてる」の邦題で呼ばれることもありますが、近年のCDではほとんど「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」とカタカナ表記されています。その理由は、「やさしき伴侶を」は歌詞の大意には近いですが原題をイメージできませんし、「誰かが私を見つめてる」は誤訳だからでしょう。原題は「私を見守ってくれる人(誰か)」という意味になります。

スティングやロバータ・フラックも歌った名曲

少し横道にそれますが、1987年にリドリー・スコット監督による『Someone To Watch Over Me』という映画が公開されました。サウンドトラックでは、「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」をスティングやロバータ・フラックが歌い、ジーン・アモンズ(テナー・サックス)が演奏しているのです。そしてこの日本公開時タイトルは、なんと『誰かに見られてる』だったのです。殺人を目撃したところから始まるサスペンス・ドラマなので、内容に合わせたものなのでしょうが、ジャズ・ファンにはまたまた混乱の種となりましたね(私だけか)。

日本語タイトルはさておき、これはガーシュウィンのバラードの最高傑作のひとつ。これに乗ってアドリブを取るための曲ではなく、いかに「メロディを歌うか/弾くか」が聴かせどころ。ジャズは感情表現の音楽でもあるのです。

「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」の名演収録アルバムと聴きどころ

(1)フランク・シナトラ『ザ・ヴォイス・オブ・フランク・シナトラ』(コロンビア)

演奏:フランク・シナトラ(ヴォーカル)、アクセル・ストーダール・オーケストラ
録音:1945年

これはジャズ(そしてポップス)ヴォーカルの「帝王」フランク・シナトラのファースト・アルバム(発売当初はSPレコード・セット)です。注目すべきはこれはバラード集であること。それまでのバンド・シンガー(ビッグ・バンドの専属歌手)から脱却し、ソロとして自身のスタイルを明確にするために、シナトラはバラードを選んだのです。選曲にはとても気を遣ったことでしょう。「サムワン〜」はなかでも絶品の1曲。その結果、アルバムはビルボード・チャートで1位を獲得する大ヒットとなりました。

(2)エラ・フィッツジェラルド『エラ・シングス・ガーシュウィン』(デッカ)
(2)エラ・フィッツジェラルド『エラ・シングス・ガーシュウィン』

(2)エラ・フィッツジェラルド『エラ・シングス・ガーシュウィン』

演奏:エラ・フィッツジェラルド(ヴォーカル)、エリス・ラーキンス(ピアノ)
録音:1950年9月11、12日

これはジャズ・ヴォーカルの「女王」エラ・フィッツジェラルドのファースト・アルバム(発売当初は10インチLPレコード)です。注目すべきはこれはガーシュウィン集であること。それまでエラはバンド・シンガーとして、またさまざまなグループで録音をしていましたが、ソロ名義で最初の「アルバム」を作るにあたって、エラはガーシュウィンを選んだのです。「サムワン〜」はその冒頭の1曲。共演はピアノのみにし、エラはヴァース(前ふりパート)からメロディを明確に、じっくりと歌い上げました。ガーシュウィンはエラの原点なのです。

(3)バド・パウエル『ジャズ・オリジナル』(ノーグラン)
(3)バド・パウエル『ジャズ・オリジナル』(ノーグラン)

(3)バド・パウエル『ジャズ・オリジナル』

演奏:バド・パウエル(ピアノ)、ロイド・トロットマン(ベース)、アート・ブレイキー(ドラムス)
録音:1955年1月11日

「ものすごいスピードで爆走し、アドリブに命をかける」ビバップ・ピアニストの代表的存在のバド・パウエルですが、ここではミディアム・テンポでゆったりとスイングしています。「バラードしばり」のこの曲も、バドならばこれもありと思わせるごきげんな演奏です。ところどころに高速フレーズを挟み込みながらも、バドでさえ、この曲ではメロディのくり返しというところに、この曲の特徴が表れているといえましょう。

(4)キース・ジャレット『メロディ・アット・ナイト・ウィズ・ユー』(ECM)

(4)キース・ジャレット『メロディ・アット・ナイト・ウィズ・ユー』

演奏:キース・ジャレット(ピアノ)
録音:1998年12月

本来音楽はいろんな情報なしに聴いて、それで楽しめればいいのですが、このアルバムにまつわるエピソードは知っておいたほうがいいでしょう。キース・ジャレットは1996年に慢性疲労症候群と診断され、演奏活動を中断。引退説も出るなか、99年に復帰するのですが、その直前に自宅スタジオで録音されたのがこのアルバム。ひとりでピアノに向き合うキース。曲目はほとんどがラヴ・ソング。その1曲がこの「私を見守ってほしい人」。これは闘病を支えた奥さんに捧げたものでしょう。キースはいつものうなり声も上げずに、ゆっくりとメロディだけを紡いでいきます。これは泣けますよ。

(5)スティング『マイ・ファ二ー・ヴァレンタイン 〜スティング・アット・ザ・ムーヴィーズ』(A&M)
(5)スティング『マイ・ファ二ー・ヴァレンタイン〜スティング・アット・ザ・ムーヴィーズ』

(5)スティング『マイ・ファ二ー・ヴァレンタイン〜スティング・アット・ザ・ムーヴィーズ』

演奏:スティング(ヴォーカル)、ほか
録音:1987年

これは、スティングが映画に提供した音源を集めたアルバム。映画『誰かに見られてる』のサウンドトラック・アルバムは出ていないのですが、スティングの「サムワン〜」の歌唱はこれで聴けます。スティングは自身のアルバムではロック・シンガーの看板を掲げているためでしょうかジャズ・スタンダードは歌いませんが、じつは映画ではけっこう歌っているのです。ここで聴けるスティングは「完全に」ジャズ・ヴォーカリストです。この声の存在感だけでも充分なのに、ピアノ1台だけを相手にジャズのオーラを振りまいています。

※本稿では『 』はアルバム・タイトル、そのあとに続く( )はレーベルを示します。ジャケット写真は一部のみ掲載しています。

文/池上信次
フリーランス編集者・ライター。専門はジャズ。近年携わった雑誌・書籍は、『後藤雅洋監修/隔週刊CDつきマガジン「ジャズ100年」シリーズ』(小学館)、『村井康司著/あなたの聴き方を変えるジャズ史』、『小川隆夫著/ジャズ超名盤研究2』(ともにシンコーミュージックエンタテイメント)、『チャーリー・パーカー〜モダン・ジャズの創造主』(河出書房新社ムック)など。

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