文/安藤政弘
タグ・ホイヤーは、スポーツエレガントをテーマにした高級時計をラインナップする幅広い世代に支持される人気ブランドです。歴史をひもとくと、前身となるホイヤーの創設は1860年、創業者のエドワード・ホイヤーがスイス・サンティミエに工場を設立したことに始まります。1882年にはクロノグラフの特許を取得し、クロノグラフ懐中時計を発表。1916年には世界で初めて”100分の1秒”まで計測可能な「マイクログラフ」を発表しました。
その後も計測へのこだわりに注力し、1920年代にはオリンピックの公式計時を3度担当しています。一方で、モータースポーツとのつながりも強く、1963年には、1950年代にメキシコで開催された伝説の公道自動車レース「ラ・カレラ・パンアメリカーナ・メキシコ」にインスパイアされた、手巻きのクロノグラフ「カレラ」を発表。現在でもタグ・ホイヤーの主力モデルとして有名です。さらに当時は困難とされていた自動巻きのクロノグラフムーブメントを、ブライトリング、ハミルトン、デュボア・デプラと共同で進め”Cal.11”の開発に成功。1969年には世界初の自動巻きクロノグラフ「クロノマチック」と防水クロノグラフ「モナコ」をリリースして大きな話題に。特に「モナコ」は、映画「栄光のル・マン」でスティーブ・マックィーンが着用し、モータースポーツウォッチを象徴する存在となりました。
1985年には「タグ・ホイヤー』に社名を変更、F1やインディカー等のモータースポーツ競技の公式計時を務め、日本でも人気高級ウォッチとして定着しました。
「モータースポーツウォッチへの情熱は、他の追随を許さず、モナコやカレラは圧倒的な人気を誇っています。ダイバーズのアクアレーサーや、シンプルな3針モデルなど、シーンに合わせて選べるラインナップも魅力です。比較的買いやすい価格帯の商品も多く、初めての高級時計として購入される方も多いですね」(東京・中野の並行輸入時計店「かめ吉」担当者)。
今回は全世代におすすめのコレクションを紹介していきます。
【タグ・ホイヤー 】
オン・オフで使えるオールマイティーな1本
カレラ キャリバー5
Ref.WAR211A.BA0782 17万8580円(税込)
3針と日付で構成された、シンプルで視認性にも優れるオールマイティーな1本。締りのあるブラック文字盤はスポーティーなスタイルにもマッチします。文字盤カラーは他にシルバー、グレーがあり、革ベルトにも変更できるため、使用シーンに合わせて選ぶことも可能です。裏スケルトン仕様。ケース直径39mm。ケースとブレスレットはステンレススチール製。ムーブメントは自動巻きのキャリバー5を搭載。日本定価は47万5200円。