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【夕刊サライ/テリー伊藤】「『ちょいフル中古車』でオトコを奮い立たせろ!」(テリー伊藤のクルマコラム 第7回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。水曜日は「クルマ」をテーマに、演出家のテリー伊藤さんが執筆します。

文/テリー伊藤(演出家)

こんにちは、テリー伊藤です!

サライ世代の皆さんにとって、家計のバランスを崩すことなくクルマに割ける予算は、だいたい300万円といったところじゃないでしょうか。ところが最近のクルマの多くはモデルチェンジのたびに値上がりして、手が届きにくくなっています。そこで今回おすすめしたいのが、中古車。第1回で書いたように、クルマは無理して買ったらカッコわるい!

クラシックの域までいかない「ちょいフル中古車」なら、維持するのは決して難しくありませんよ!

“ちょっと古いくらいが味わい深い”ヒトもクルマも一緒です!!

 

■アルファロメオは意外にも「赤」が大穴!

僕がクルマでよく通る場所に、けっこう有名な欧州中古車屋さんがありまして、先日そこで真っ赤なアルファロメオを見つけました。90年代のモデルで、屋根が開くスパイダーです。値段を見たら、コミコミで200万円。これはいいな~と僕は思ったんですが、お店の聞くと、そのクルマは随分前から店頭にある売れ残りでした。といっても、別に大きな故障を抱えているわけでもなく、状態は悪くない。じゃあなんで売れないのかというと、「赤だから」だというんです。最近はいかにもイタリア車らしい赤よりも、白とか青のほうが人気あるんですって。

アルファロメオのスパイダーといえば、映画「卒業」でダスティン・ホフマンが乗っていたモデルが有名ですね。でもあれはクラシックカーだから、状態のいい中古車は高いし手もかかる。その点、90年代のちょいフルなら、よほど特別なモデルでなければ300万円くらいで買えちゃうし、今なら一番アルファロメオ的な赤がお買い得ときてる。屋根付きのガレージで大切に保管する必要もなく、気軽に乗れちゃうのがいいですね。まあ、幌の隙間から雨漏りくらいはするかもしれませんが、世の中のクルマがどれも快適になった今、少しくらい不便なほうが根性を入れて乗れるというものです!

■セクシーなお尻がたまらないVW・シロッコ

いっそのこと、不人気車を探してはいかがでしょう。不人気というと嫌なイメージを持たれるかもしれませんが、その理由は「家族で乗るには不便」「左ハンドルしかない」「カタチが個性的」といったもので、視点を変えれば決してマイナスにはならないポイントばかり。しかも、それは「あまり人が乗っていない」という意味でもあるわけで、人とは違う個性を求めるなら、むしろメリットになります!そんな不人気車は、僕の大好きなフォルクスワーゲンにもあります。誰もが知っているゴルフより大柄なセダン、パサートなんか渋くていいと思います。現行型は高級感を追求してキラキラしているけど、90年代のモデルは質実剛健な作りに徹していて、背伸びした感じがない。真面目なお父さんにおすすめです。

「いやいや、俺はもっと弾けたクルマに乗りたいんだ!」という方には、シロッコなんていかがでしょう? 初代は1970年代に登場した、ゴルフをベースにした3ドアのスポーティなハッチバック車です。はじめの頃はけっこう売れたんですが、最大のウリである、2ドアで天井の低いスタイルが仇となり人気が低迷。90年代に姿を消してしまいました。ところが2000年代になって、また復活したんですよ。やはり2ドアのスポーティなデザインで、ボディの後ろの踏ん張った感じが女性のお尻のようにセクシー! あれ、僕はたまらなく好きだな~。なのに、やっぱり不人気で数年前に日本での販売が終了…。

フォルクスワーゲンって、昔も今もゴルフとその弟分のポロに人気が集中していて、そんな優等生がいてもいいと思うんですけど、なぜかメーカーはシロッコみたいな、面白いけど大衆ウケしないクルマを出してくる。案の定売れなくて引っ込めるんだけど、少し経つとまた懲りずに出してくるんですよ。そんなクルマだから、出来は悪くないのに中古車は格安。もともと品質には定評のあるメーカーですから、ちょいフルでも安心して乗れます。皆さんもシロッコのセクシーなお尻を眺めながら、オトコを奮い立たせてみませんか?

【今週のテリー・カー(1):アルファロメオ・スパイダー】

イタリアでは昔からオープンカーのことをスパイダーと呼び、アルファロメオは流麗なスタイルのスパイダーを長らく作っていた。写真のモデルは90~00年代初頭の2世代目。つぶらな瞳と後端ですとんと落ちたお尻がかわいい。それでいてアクセルを踏み込むと、男性的で色気のあるエンジン音が響き渡る。

【今週のテリー・カー(2):フォルクスワーゲン・シロッコ】

ゴルフがベースなのに、クルマ好き以外にはあまり知られていないシロッコ。写真のモデルは最新の3世代目(日本での新車販売は終了)で、初代の雰囲気を残しつつ、よりグラマラスなデザインとなった(特に後ろ)。シロッコとは、初夏にアフリカから地中海を越えてイタリアに吹く南風の名称。ゴルフよりも硬めの足回りが、オトコを奮い立たせる。

文/テリー伊藤(てりー・いとう) 
昭和24年、東京生まれ。演出家。数々のテレビ番組やCMの演出を手掛ける。現在は多忙な仕事の合間に、慶應義塾大学 大学院で人間心理を学んでいる。

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