文・写真/MARIKO(モデル、神社検定1級)
今回ご紹介するのは、東京都板橋区にある「ときわ台天祖神社」の「天祖神社歌占(うたうら)」です。こちらは室町時代に行われていた、弓を使った和歌による占い「歌占」を体験できる、珍しいおみくじです。
ときわ台天祖神社は、天照皇大神(あまてらすおおみかみ)を主祭神とし、豊受姫命(とようけひめのみこと)、大山咋神(おおやまくいのみこと)をお祀りしています。江戸時代には旧上板橋村の産土神となり、伊勢神宮とも深い縁があるお社です。
ご紹介する「天祖神社歌占」は、室町時代の弓の弦に結んだ短冊から一枚選ぶ「歌占」を現代に蘇らせたもの。「歌占」は現在の神社で一般的な和歌のおみくじの起源でもあります。古くから人々は神様のお告げを和歌として受け取ってきましたが、それが「歌占」の始まりとなり、室町時代には簡略化されて弓から引く形に。
そもそも日本の神様、実は和歌を詠う場面がよく登場するのです。例えば須佐之男命(すさのおのみこと)は妻を得た喜びを「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」と詠ったことでも有名ですし、大国主神(おおくにぬしのかみ)は「神語り」という歌を妻と交わしています。
神様の言霊のこもった和歌は、やはりおみくじでも一番大切にしたいところですね。
さて、この「天祖神社歌占」には、自分にふさわしい歌占がいただけるよう、引く前に呪歌を唱えるというルールがあります。
「ちはやぶる神の子ども集まりて作りし占ぞ正しかりける(神の子どもが集まって作った占いは正しいのだなあ)」
心を落ち着けて唱えたら、いざ目を閉じて一枚を選びます! 短冊には16柱の神様のいずれかの名前が記されていて、その神様と縁のある和歌やメッセージがいただけます。
今回引いたのは…「太玉命(ふとたまのみこと)」でした。
引き札には、ご祭神や天岩屋神話に登場する神様が可愛らしいイラストで描かれています。私が引いた太玉命はこちら!
「天祖神社歌占」にはいわゆる吉凶がありません。伝統的な歌占とはどんなものなのでしょう? いざオープン!
「白妙(しろたへ)の大幣(おおみてぐら)を捧げもち 讃へて祈る君が世のため」
太玉命は天照大御神が天岩屋にお隠れになったときに活躍した占いと祭祀の神様。和歌には天岩屋からのお出ましを願う場面が詠われています。
また、「あなたは、入念に準備をして物事に取り組み、チームを率いる力を持った人です。直感を大切にすれば障害を避けることができるでしょう。」というメッセージも。なるほど。占いを司る太玉命のお力で、直感力が養われますように……!
いつものおみくじとはちょっと違った手順を踏む歌占は、神様のお告げをいただく特別な気分が味わえます。引いた歌占は自分だけのお守りにしても素敵ですね。
【訪ねたお社】
ときわ台天祖神社
所在地:東京都板橋区南常盤台2−4−3
電話:03-3956-6168(受付時間 午前9時〜午後5時)
アクセス:東武東上線ときわ台駅南口より徒歩1分
http://www.tokiwadai-tenso.or.jp/
文・写真/MARIKO
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