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日本画壇に革新をもたらした三人の画家「日本画三山」の展覧会

取材・文/池田充枝

杉山寧、髙山辰雄、東山魁夷。同じ山の字のつく三人の画家は、戦後の日本画壇において同じように革新的な方向性を示したことにより、「日本画三山」と称されています。

杉山寧(すぎやま・やすし、1909~1993)は、東京都生まれ。東京美術学校日本画科在学中に帝展で特選を受賞し、頭角を現しました。卒業後は若い画家たちと瑠爽画社(るそうがしゃ)を結成し、新しい日本画の創造に励みつつ、日展への出品を続けました。

昭和35年以降は抽象表現へと傾き、和紙や絹ではなくキャンヴァス(麻布)を用いるなど、戦後の日本画壇に新しい領域を切り開きました。

杉山寧 文藝春秋1965年1月号《ネフェルト》〔1965(昭和40)年 蘭島閣美術館蔵〕

髙山辰雄(たかやま・たつお、1912~2007)は、大分県生まれ。東京美術学校日本画科卒業後は、杉山寧らが結成した瑠爽画社に参加します。第2回日展で特選を受賞、第5回日展で再び特選を受賞し、画壇での地位を確かなものにしました。

ゴーギャンの生き方に大きな感銘を受けた髙山は、ゴーギャンの画風に通じる鮮やかな色彩と簡略化された色面構成で知られます。

髙山辰雄 文藝春秋1999年1月号《卯》〔1999(平成11)年 角川文化振興財団蔵〕

そして東山魁夷(ひがしやま・かいい、1908~1999)は、神奈川県生まれ。東京美術学校卒業後は、結城素明に師事。昭和8年にドイツのベルリン大学美術史科に学び、帰国後は新文展に出品。戦後は日展に出品し、「残照」で特選を受賞しました。

そしてその後は、日本をはじめヨーロッパの自然風土を深い郷愁をたたえた作風で、現代日本画を代表する画家として活躍しました。

東山魁夷 《秋映》〔1959(昭和34)年 (株)歌舞伎座蔵〕

さて、この「日本画三山」たちの作品を一堂に会した展覧会が、市川市東山魁夷記念館で開かれています(~2018年1月28日まで)。戦後の日本画壇を代表する画家、杉山寧、髙山辰雄、東山魁夷の表紙絵の世界とデザインの魅力が、存分に紹介されています。

本展の見どころを、市川市東山魁夷記念館の担当学芸員・石田久美子さんにうかがいました。

「三人は、精力的な日本画制作はもとより、雑誌の表紙絵も手掛けたことで、広く一般に日本画の魅力を知らしめたという点において共通しています。

なかでも杉山寧と髙山辰雄は、文芸雑誌『文藝春秋』の装画を長きにわたって手掛けたことで知られ、その功績は高い評価を獲得しました。東山魁夷においても、『保健同人』、総合雑誌『日本』、文芸雑誌『新潮』の装画のほか、歌舞伎筋書の表紙や、劇場の緞帳原画、そして歌舞伎衣裳など、そのデザインの力はさまざまな分野で発揮されました。

今回の特別展では、三山の珠玉の日本画作品はもとより、杉山寧と髙山辰雄の『文藝春秋』表紙原画、東山魁夷が表紙絵を描き下ろした「歌舞伎筋書」、『保健同人』、総合雑誌『日本』を展観につなげており、三山の表紙絵の魅力にふれていただけます。

なかでも、東山魁夷が手掛けた六世中村歌右衛門所用「助六」揚巻の衣裳「白地精好波に松島図の裲襠」も、特別な位置づけの芸術作品として紹介しています。近代日本画のうえに偉大な業績を遺した三山の多彩な芸術世界をお愉しみいただける展覧会となっています」

かつて雑誌などで目にした懐かしい表紙絵や、絢爛たる歌舞伎衣裳が堪能できる盛りだくさんの展覧会です。ぜひ会場に足をお運びください。

【展覧会情報】
特別展『日本画三山-杉山寧・髙山辰雄・東山魁夷-表紙絵の世界とデザインの魅力』

■会期:2017年12月9日(土)~2018年1月28日(日)
■会場:市川市東山魁夷記念館(千葉県市川市中山1-16-2)
■電話番号:047・333・2011
http://www.city.ichikawa.lg/higashiyama
■開館時間:10時から17時まで(入館は16時30分まで)
■休館日:月曜(祝休日にあたる場合は、直後の平日)

取材・文/池田充枝

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