新着記事

作家・田中英光が自殺前に遺書を書いた太宰治の本【文士の逸品No.29】

◎No.29:田中英光の本文/矢島裕紀彦東京・駒場の日本近代文学館に蔵される…

『半分、青い。』ロケ地の“昭和レトロの町”で話題! 岐阜県“東美濃”へ出かけませんか?【シリーズ東美濃の魅力その3】[PR]

素朴な味わいで「うんま!」(うまい!)と人気を集める五平餅や、日本三大山城に数えられる岩村城などがあ…

【夕刊サライ/パラダイス山元】デンマーク:ヨーロッパ大陸最北端の岬で“餃子石”を拾い集める(パラダイス山元の旅行コラム 第7回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。木曜日…

おいしさ倍増!覚えておきたいビールの「ペアリング」3つのコツ

文/鈴木拓也ワインと相性のいい料理を組み合わせる「ペアリング」(マリアージュとも)が…

一生聞かないレコードを「箱買い」してしまう病【オーディオ小僧のアナログ日誌 第20回】

文・絵/牧野良幸ずっと「箱買い」が止まらない。「箱買い」とは箱入りのアナログ…

【夕刊サライ/横山剣】「BMW2002」 過ぎ去った“彼女”と“あのときの想い出”をもう一度(横山剣のクルマコラム 第3回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。水…

意外な由来!「江戸前」という言葉はウナギから生まれた【食いしん坊の作法 第6回】

文/山本益博「江戸前のにぎりずし」という言葉が人口に膾炙されていて、「江戸前」という…

2日目《苫小牧から札幌へ》【実録・JR北海道全線踏破10日間の旅】

昨年夏『サライ.jp』に連載され好評を博した《実録「青春18きっぷ」で行ける日本縦断列車旅》。九州・…

【夕刊サライ/川合俊一】ニューヨークへ、画家リロイ・ニーマンに会いに行く!(後編)(川合俊一の暮らし・家計コラム 第7回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。火…

日本のそば発祥の地!滋賀県伊吹のそばと湖東の酒蔵をめぐる

取材・文/わたなべあや滋賀県は、県の真ん中に位置する琵琶湖を中心に東西南北4つの地域に分かれ…

サライ最新号

ピックアップ記事

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

趣味・教養

「学問をして人間が上等にならないなら、初めから無学でいる方がいい」(夏目漱石)【漱石と明治人のことば178】

sousekiKotobaBanner2

今年2017年は明治の文豪・夏目漱石の生誕150 年。漱石やその周辺、近代日本の出発点となる明治という時代を呼吸した人びとのことばを、一日一語、紹介していきます。

【今日のことば】
「学問をして人間が上等にならぬくらいなら、初めから無学でいる方がよし」
--夏目漱石

上に掲げたのは、夏目漱石が愛媛県尋常中学校刊『保恵会雑誌』に掲載した『愚見数則』の中に記したことばである。当時、漱石は28歳。ひとりの英語教師として松山に赴任している。この文章には、若く真っ直ぐな漱石の教育観があらわれている。

最近、大学教育などでは、社会に出てそのまますぐに使えるような実学を重んじる傾向がある。専門化や細分化も、どんどんと進んでいる。行政や役所が予算を通して介入して、それを推し進めようとする。もちろん、実学重視は必ずしも悪いことではないが、一方で文学部不要論が出てきたりすると、それはちょっと違うのではないかと思う。

学問によって、ほんとうに磨き上げるべきは、知の力であり人間性そのもののはず。それが出来上がらないようなら、学問などする意味がない。掲出のことばで、漱石はそう指摘するのである。

このことばの前に、漱石はこうも述べている。

「理想を高くせよ。敢えて野心を大ならしめよとはいわず。理想なきものの言語動作を見よ、醜悪の極みなり。理想低き者の挙止容儀を観よ、美なるところなし。理想は見識より出ず、見識は学問より生ず」

翻って最近の国内外の政治に目を移すと、リーダー的立場にいる人たちが、平気で事実をねじ曲げる強弁を繰り返している。自分に都合の悪いニュースや情報は「フェイク」や「怪文書」だと切り捨てる。そうして、恥じるそぶりもなく、むしろ得意気に胸をそらしている。けっして上等とはいえない。

強弁の仕方は学んでも、正直や公正という、人間性の基礎となる肝心な部分は磨き忘れたらしい。

文/矢島裕紀彦
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。著書に『心を癒す漱石の手紙』(小学館文庫)『漱石「こころ」の言葉』(文春新書)『文士の逸品』(文藝春秋)『ウイスキー粋人列伝』(文春新書)『夏目漱石 100の言葉』(監修/宝島社)などがある。2016年には、『サライ.jp』で夏目漱石の日々の事跡を描く「日めくり漱石」を年間連載した。

himekurisoseki-3

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 「秋立つや一巻の書の読み残し」(夏目漱石)【漱石と明治人のことば…
  2. 「年の暮れには追憶を、年の初めには希望を」(幸田露伴)【漱石と明…
  3. 「見果てねど はた見あきねど我が夢は 四十余年の夢多き日々」(滝…
  4. 「子供のために一流の文学者が進んで執筆しなければ嘘だ」(鈴木三重…
  5. 最晩年の谷崎潤一郎が愛する風景を詠んだ歌【漱石と明治人のことば3…
PAGE TOP