問1の答え
3.縫箔業
縫箔とは、衣服などの布地に刺繍をしたり、金銀の箔を押して模様を施す作業で、師宣はそうしたことを仕事にする縫箔師の家に生まれました。幼い頃から多彩な図柄を目にしていた彼には、自然に優れたファッションセンスが身についたのではないかと推察されます。
問2の答え
山姥を若い女性のように描いたところ
山姥は妖怪なので、通常、怖い顔の老婆に描かれますが、歌麿は、若い女性に見立てました。その背景には幕府の厳しい出版統制が関係しています。幕府は、女性の名前を画中に書くことを禁じたのち、コマ絵による判じ絵で名前を示唆する絵を禁止。その後、さらに女性の大首絵を描くことまで禁じました。
その規制に対抗して描いたのが、金太郎と金太郎を育てたとされている妖怪・山姥を描いたシリーズです。「山姥と金太郎」シリーズは発表するやいなや人気となり、その後も数多く描かれました。
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ジャンル別・絵師別に作品の見どころがわかる
楽しく脳活
クイズで学ぶ浮世絵入門
監修/藤澤 紫
小学館 1650円(税込)

藤澤 紫
國學院大學文学部教授。国際浮世絵学会常任理事・公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団評議員。専門は日本美術史、日本近世史、比較文化論。学習院大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(哲学)。「くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展」監修、NHK–BS4K・Eテレ番組「浮世絵EDO–LIFE」の浮世絵監修も務める。著書に『鈴木春信絵本全集』(勉誠出版)、『遊べる浮世絵 体験版・江戸文化入門』( 東京書籍)、監修に『NHK 浮世絵EDO–LIFE 浮世絵で読み解く江戸の暮らし』(講談社)など。近著に『イチから知りたい 日本のすごい伝統文化 絵で見て楽しい!はじめての浮世絵』(藤澤茜と共著・すばる舎)など。
