スペインの巨匠、ジュアン・ミロの過去最大規模の展覧会【ミロ展】

20世紀を代表するスペインの巨匠、ジュアン・ミロは、幼い頃から絵を描くことが好きで、画家を夢見ていましたが、厳格な父の勧めで、17歳で会計の仕事に就きます。
しかし２年後に大病を患い、カタルーニャの小村モンロッチで静養することになりました。そこでの暮らしのなかで、ミロは改めて画家になることを決意しました。
モンロッチの豊かな自然は、その後、終生にわたりミロの創作意欲を刺激し続けました。

東京都美術館で開催の「ミロ展」は、初期から晩年まで、約100点が展示される過去最大規模の展覧会です。（３月１日～７月６日）

本展の見どころを、東京都美術館の学芸員、髙城靖之さんにうかがいました。

「1893年にスペインのカタルーニャ州に生まれたジュアン・ミロ（1893-1983）。太陽や星、鳥などを象徴的な記号に変えて描いた、詩情あふれる独特な画風は世界でも日本でも高い人気を誇ります。本展はミロの生涯を振り返るもので、日本での回顧展としては、過去最大規模のものになります。

注目は代表作の〈星座〉シリーズ。本展では全23点のうちの３点が展示されます。スペイン内戦や第二次世界大戦の勃発など、直面していた厳しい現実から目を背け、美しい夜空や星々、音楽から着想を得た本シリーズは、戦争や抑圧への批判と困難な現実を超えた先にある希望を提示しています。

それ以外にも、初期の傑作《ヤシの木のある家》や、80歳を迎えても新たな表現を追い求めてカンヴァスに火をつけた《焼かれたカンヴァス２》といった初期から晩年までの代表作でミロの生涯をご紹介します。ミロの芸術の真髄を体感できるまたとない機会ですので、ぜひ会場でお楽しみください」

90歳で亡くなるまでの約70年の画業が凝縮された展覧会です。ぜひ会場に足をお運びください。

【開催要項】
ミロ展
会期：2025年３月１日（土）～７月６日（日）
会場：東京都美術館
住所：東京都台東区上野公園８－36
電話：050・5541・8600（ハローダイヤル）
展覧会公式サイト：https://miro2025.exhibit.jp /
開室時間：９時30分～17時30分、金曜日は～20時（入室は各閉室30分前まで）
休館日：月曜日（ただし４月28日、５月５日は開室）、５月７日（水）
料金：公式サイト参照
アクセス：公式サイト参照

取材・文／池田充枝