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20世紀の美術に大きな足跡を残したアンリ・マティスは、生涯を通してアトリエの中で絵の実験を繰り返したといわれます。

マティスの名が知られるようになったころ、マティスは仲間とともに「フォーヴィスム(野獣派)」と呼ばれるようになりました。しかし、そうしたくくりに縛られることなく更なる革新をめざしたマティスは、色や形で、自分の感覚をいかに表現するかを一貫して追求し続けました。

84歳で亡くなるまで絵画一筋の生涯、その実験場がアトリエだったのです。

※以下、作品画像はすべて、ポンピドゥー・センター/国立近代美術館が所蔵するアンリ・マティスの作品です。

《金魚鉢のある室内》 1914年 油彩/カンヴァス
Centre Pompidou,Paris,Musée national d’art moderne
-Centre de création industrielle

東京都美術館における「色、形、線、冒険のはじまり マティス展」は、その全画業を追う大規模な展覧会です。(4月27日~8月20日)

本展の見どころを、東京都美術館の学芸員、藪前知子さんにうかがいました。

「20世紀を代表するフランスの画家、アンリ・マティス(1869-1954年)の、国内では約20年ぶりの大規模な回顧展が開催されます。

世界最大規模を誇るポンピドゥー・センター/フランス国立近代美術館のコレクションを中心に、絵画、彫刻、ドローイング、版画、切り紙絵などの多岐にわたる仕事だけでなく、晩年の集大成といえる南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂に関する資料や撮りおろし映像なども加えて、各時代の代表的な作品から、その変遷を辿る展覧会です。

《赤いキュロットのオダリスク》 1921年 油彩/カンヴァス
Centre Pompidou,Paris,Musée national d’art moderne-Centre de création industrielle

ポンピドゥー・センターのコレクションには、新しい表現を模索し続けたマティスの軌跡を辿ることのできる重要作品が、初期から晩年まで網羅的に含まれています。「オダリスク」のようなお気に入りのモチーフの最初の作品(《赤いキュロットのオダリスク》1921)、絵画制作の傍らで長い時間をかけて手がけた彫刻シリーズ(《背中Ⅰ~Ⅳ》1909-1930)、集大成といえる最後のカンヴァス絵画《赤の大きな室内》(1948)など――。

《背中Ⅰ-Ⅳ》 1909-1930年 ブロンズ
Centre Pompidou,Paris,Musée national d’art moderne-Centre de création industrielle
《赤の大きな室内》 1948年 油彩/カンヴァス
Centre Pompidou,Paris,Musée national d’art moderne
-Centre de création industrielle

目の前の世界に対する感覚を研ぎ澄まし、その豊かさを伝えることに一生を捧げた巨匠の大回顧展をお楽しみください」

マティスの足跡を辿る大規模な展覧会です。ぜひ会場に足をお運びください。

ロザリオ礼拝堂 堂内 (C)NHK

【開催要項】
色、形、線、冒険のはじまり マティス展
会期:2023年4月27日(木)~8月20日(日)
会場:東京都美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話:050・5541・8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://matisse2023.exhibit.jp
開館時間:9時30分から17時30分まで、金曜日は20時まで(入室はいずれも閉室30分前まで)
休館日:月曜日(ただし5月1日、7月17日、8月14日は開室)、7月18日(火)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
※日時指定予約制

取材・文/池田充枝

 

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