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1883年、モネは43歳でジヴェルニーに移住、やがて草花で満たされた「花の庭」を造成し、その後「水の庭」で晩年までスイレンの育成に情熱を傾けた。ジヴェルニーの庭は30余年にわたり、モネの創作の源となった。
そんな「モネの庭」が高知県北川村にもある。『北川村「モネの庭」マルモッタン』だ。フランスの「クロード・モネの家と庭」(以下、本家)から苗の提供や造園の監修を受け、2000年4月に開園した。世界中から「モネの庭」を作りたいという要請が本家にあったが、その名を使うのを許可されたのはここだけだ。開園までに北川村とジヴェルニーの人々は交流を重ね、信頼関係を築いたという。
モネの精神を活かす庭
園内は「花の庭」と「水の庭」、「ボルディゲラの庭」からなり、約1500種の草花が育成されている。「花」と「水」は本家に倣うが「ボルディゲラの庭」は、北川村のオリジナルだ。モネが43歳のとき、光と色彩に魅了され30点以上の作品を描いた地中海のボルディゲラ(イタリア)をモチーフに、本家からの提案で造園された。
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同園で庭師を務める弘井創太さんに、水の庭を案内してもらった。
「温帯性スイレンの開花時間は早く、午後には閉じがちなので、9時の開園と同時に来ていただくとよいかと思います(※開園期間は3月〜11月)」
水の庭には、温帯性と熱帯性スイレンが30種ほど栽培され、真夏の最盛期には300〜350輪以上の花を咲かせるという。高知県はジヴェルニーより温暖なので、熱帯性スイレンも同じ池で一緒に咲く。モネは青い熱帯性スイレンに憧れたが、それは水の庭で咲かせることはできなかった。北川村には、モネの夢を実現した景色が広がっているのかもしれない。
「スイレンは繁殖力が強いので、地植えせず鉢植えで管理しています。モネが描いた庭のように、周囲の木立や景色を水面に反映させるためには、日々の管理が欠かせません」(弘井さん、以下同)
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本家からは4〜5年に一度視察がくるという。
「アドバイスはありますが、こうしなさいという指示はありません。本家の管理責任者から、ジヴェルニーと北川村は兄弟のような関係だと言ってもらえました。大切なのは、モネの精神を活かすということなのだと感じています」
春を待って訪ねたい。
北川村「モネの庭」マルモッタン
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高知県安芸郡北川村野友甲1100
電話:0887・32・1233
開園時間:9時〜17時(入園は16時30分まで)
休園日:6月〜10月の第1水曜、12月〜2月
入園料:1000円
交通:土佐くろしお鉄道奈半利駅より北川村行きバスで約10分、モネの庭下車
撮影/藤田修平 写真/北川村「モネの庭」マルモッタン
※この記事は『サライ』本誌2025年1月号より転載しました。
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