ドラマの最終盤で武士が登場する意味
I:『光る君へ』では武士の存在があまり描かれませんでしたが、この終盤にきて平為賢(演・神尾佑)が登場しています。
A:平為賢は、桓武平氏出身の武士ですから出自については立派な存在です。ただ、道長の父兼家(演・段田安則)や道長は源氏の源満仲、頼親、頼信などを配下においていました。花山天皇(演・本郷奏多)を退位させた「長徳の変」で出てくるかなとも思ったのですが、劇中では登場しませんでした。桓武平氏の為賢は、今後も活躍する場がありそうな展開なのですが、どのような流れになるのか注目ですよ。
I:意外に深い深い展開になっていくかもしれないですね。まひろの娘賢子(演・南沙良)に妙に絡んでくる双寿丸(演・伊藤健太郎)の存在もなんだか怪しいですよね。
A:怪しいってのはいいすぎですが、意外と注目人物かもしれないですね。
I:ところで、藤原通任役の古舘佑太郎さんは、古舘伊知郎さんのご子息だそうです。初めての大河ドラマということで、コメントが寄せられています。
初日に衣装を着付けてもらった時は、貴族はこんなにも着込むのか! と思わずその重量感に驚きました。そして、舞台セットにて所作を習うと、自分の関節の固さにも驚きました。美しいあぐらの姿勢や、立ち上がりがとても難しかったです。この日からすぐヨガスタジオに入会して柔軟性を高める努力を始めました。クランクアップの日、あぐらからすっと立ち上がれた時は、自分の成長にこっそり感動を覚えました。
A:そんなに登場場面が多い感じではないのですが、それでもヨガ教室に通うなど、懸命に役作りに没頭したのですね。
●編集者A:月刊『サライ』元編集者(現・書籍編集)。「藤原一族の陰謀史」などが収録された『ビジュアル版 逆説の日本史2 古代編 下』などを編集。古代史大河ドラマを渇望する立場から『光る君へ』に伴走する。
●ライターI:文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。『サライ』2024年2月号の紫式部特集の取材・執筆も担当。お菓子の歴史にも詳しい。『光る君へ』の題字を手掛けている根本知さんの仮名文字教室に通っている。猫が好き。
構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり